ギヨーム・ビュデ

ギヨーム・ビュデについて

ギヨーム・ビュデ（Guillaume Budé、1468年1月26日 - 1540年8月23日）は、フランスのルネサンス期に活躍した著名な人文主義者であり古典学者です。彼の名前に由来する「ビュデ叢書」は、彼が持った影響力の象徴とも言えます。ビュデはフランス国立図書館やコレージュ・ド・フランスの創設において重要な役割を果たし、その功績から「フランスのエラスムス」とも称されることがありました。

生い立ちと学問への目覚め

1468年、パリで王室高官の家に生まれたビュデは、オルレアン大学法学部を卒業後、乗馬や狩猟に多くの時間を費やしていました。しかし、彼が23歳の時に学問への目覚めを迎え、法学を再度学び直しながら、ギリシアやローマの古典文学の研究に入り込みます。1491年にはパリ大学に入学し、ビザンツからの亡命学者からギリシア語を学ぶことになります。

1497年には王室秘書官に任命され、教皇への使節としても活動しました。彼の主著である『古代貨幣考』は1515年に発表され、彼の名声を不動のものにしました。この著作は、古典の貨幣を当時のフランスの貨幣に換算し、貨幣史学の発展に寄与するものとされ、特に言語や文化の相互作用を重視していました。

学問と関係性

ギヨーム・ビュデは、人文主義の精神を受け継ぎ、1516年からエラスムスとの間で往復書簡を交わしていました。しかし、次第に意見の不一致から疎遠になり、1528年に決別しました。彼はまた、エラスムスに対して新しく設立される王立教授団の学長職を打診したものの、受け入れられませんでした。

彼は1520年、フランソワ1世に従い、金襴の陣に参加しました。1522年からは王室図書館長および請願聴聞官として仕え、1530年にはコレージュ・ド・フランスの前身となる「王立教授団」を創設するようフランソワ1世に進言しました。このように、彼は自身の理想を実現する活動を続けました。

著作とその影響

ビュデの著作には多様なテーマが含まれており、彼の学問的貢献は広範囲にわたります。代表的な著作には、古代ギリシア語に関する研究の集大成である『ギリシア語考』、貨幣についての画期的な研究である『古代貨幣考』、そして『学説彙纂24巻注解』があります。最も著名なラテン語著作の一つである『君主教育論』は、フランソワ1世に宛てられ、王に文献学の重要性を説く内容で、ビュデの広範な知識と人文主義に対する熱意が表れています。

また、彼は現存する他の著作や交流の中で、エラスムス、トマス・モア、ラブレーなどとともに、学問の世界での影響を受け続けました。ビュデは、ギリシア語やラテン語だけでなく、幅広い科目においても多くの研究を重ねました。

最晩年と遺産

ビュデの生涯は1540年、公務旅行中の病により幕を閉じました。彼はカトリック教徒として知られていましたが、内心では反カトリック的だったことが示唆されています。ギリシア語の研究や、晩年の教会への批判的な姿勢など、彼の足跡は後世に影響を与え続けています。彼の遺志を受け継ぐ団体として「ギヨーム・ビュデ協会」があり、いまでも彼の名はフランスの学問界で尊重されています。

その功績を讃えて、コレージュ・ド・フランスやフランス国立図書館には彼の像が建てられたり、パリの街角に「ビュデ通り」が存在するなど、彼の影響は現代でも受け継がれています。

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