ギンバイソウ

ギンバイソウ（銀梅草）

ギンバイソウ（学名: Hydrangea bifida）は、アジサイ科アジサイ属に分類される多年草です。その名の通り、白い花が梅の花に似ていることからこの名前が付けられました。日本固有種であり、関東地方以西の本州、四国、九州の山地の木陰に自生しています。特に、沢沿いの湿った斜面など、比較的冷涼な場所を好み、群生している様子が見られます。

特徴

ギンバイソウは、木質の太い根茎が地中を横に這うように成長する多年草です。茎は直立して40cmから70cmほどの高さになり、全体的に毛が生えています。葉は茎に互い違いに生え、柄があります。葉身は長さ10cmから20cm、幅6cmから12cmで、基部がくさび形になった楕円形または倒卵形をしています。葉の先端は特徴的で、深く二つに裂けており、それぞれの裂片の先端は尾状に尖っています。

花期は7月から8月にかけてで、茎の先に散房花序を出し、10個から20個の白い花を咲かせます。花には、装飾花（中性花）と両性花があります。装飾花は3枚のがく片からなり、花弁はありません。両性花は5枚のがく片と5枚の花弁を持ち、多数のおしべと1つのめしべがあります。

品種

ギンバイソウには、いくつかの品種が知られています。

マルバギンバイソウ (Deinanthe bifida Maxim. f. rotundifolia Satomi): 葉が丸みを帯びている品種です。
ムラサキギンバイソウ (Deinanthe bifida Maxim. f. violacea Hayashi): 花が紫色を帯びる品種です。

利用

ギンバイソウは、若芽を山菜として食用に利用できます。採取の適期は5月から6月頃で、暖地では4月頃が目安です。若芽はぬめりとねっとりとしたコクが特徴で、独特の食感と風味が楽しめます。調理法は様々で、茹でておひたしや酢の物にするほか、バター炒め、天ぷら、ごま和え、煮びたし、卵とじなどにも利用されます。春の味覚として、山菜料理の一品に加えてみてはいかがでしょうか。

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