ギンポ

ギンポ（銀宝）について

ギンポは、スズキ目に分類される海水魚で、特にニシキギンポ科に属する種、すなわちPholis nebulosaの日本語名です。この魚は、日本列島の北海道南部から高知県や長崎県にかけての浅瀬や浅海域で見られる生物です。

名称と由来

ギンポは「ウミドジョウ」や「カミソリ」といった別名でも呼ばれています。その名前の由来は明確ではありませんが、江戸時代に流通していた銀貨「丁銀」の形に似ていることから来ているとも言われています。英語での「gunnel」は、ニシキギンポ科全体を指す言葉です。

特徴

ギンポは約20センチメートルの全長を持ち、細長い体形をしています。特徴的なのは、体が左右に狭い側扁した形をしているところです。この魚は、体が入る程度のサイズの穴に巣を作りますが、自分で穴を掘ることはできず、珊瑚の隙間や貝類が開けた穴、さらには空き缶などを利用して住処を構えます。

利用方法

ギンポは食用としても人気があり、そのための利用が多岐にわたります。特に、江戸前の天ぷらの具材として使われることがあります。軽やかな食感と風味が楽しめ、料理に豊かな味わいを与えます。

広義のギンポ

広義には、ギンポという名はスズキ目のさまざまな科を含む総称としても使用されます。これにはアサヒギンポ科、イソギンポ科、コケギンポ科、トビギンポ科、ニシキギンポ科、ヘビギンポ科、ベラギンポ科が含まれ、それらは世界中の広い範囲に生息しています。

ニシキギンポ科の特性

ニシキギンポ科は、3属15種で構成されており、背鰭は臀鰭よりも約2倍の長さがあり、棘条が発達しています。胸鰭は小さく、腹鰭は多くの種で縮小または欠落しています。体の形状も特徴的で、吻から肛門までの距離が尾鰭から肛門までの距離よりも長く、肋骨は存在しません。側線はあるかないかで、あっても短い場合が多いです。親魚が卵を守る行動も見られます。

ニシキギンポ科の具体的な種

• - Apodichthys属: この属には3種があり、送られるサンプルは体色がほぼ単色です。

- Penpoint gunnel, A. flavidus
- Rockweed gunnel, A. fucorum
- Kelp gunnel, A. sanctaerosae

• - ニシキギンポ属: この属は11種が存在し、特に色彩が豊かな種が目立ちます。

- Longfin gunnel, P. clemensi
- タケギンポ, P. crassispina
- ヒモギンポ, P. fasciata
- ギンポ, P. nebulosa
- アヤギンポ, P. ornata
- ニシキギンポ, P. picta

• - ハコダテギンポ属: ここには1種が存在し、体の特徴があります。

- スティップルドギンポ, R. dolichogaster

このように、ギンポは豊かな生態と文化的背景を持ち、多様な生物の世界において重要な役割を果たしています。

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