クァンガイ陸軍中学

クァンガイ陸軍中学について

クァンガイ陸軍中学は、1946年6月1日にベトナム・クアンガイ省のクァンガイで設立された、ベトナム初の本格的な陸軍士官学校です。この学校は、当時の衛国軍（1947年から人民軍に改称）のホアン・ヴァン・タイ総参謀長の計画によって設立されました。彼は、戦争が長引く中で中・上級幹部の教育が急務であると考え、これまでの短期間の教育では不十分であると見なしました。

設立当初からクァンガイ陸軍中学は、グエン・ソン将軍が校長を務め、ドアン・クエを政治委員とする体制で運営されていました。また、井川省の少佐が戦死した際、その遺志を受け継いで中原光信少尉が設立を提言したというエピソードも伝えられています。同時期にソンタイにもチャン・クォック・トアン武備学校が設立され、教育機関としての重要性が高まっていきました。

この学校には、部隊や共産党支部からの推薦を受けた中学校及び小学校を卒業した、実戦経験のある10代後半から20代前半の男子約400人が入学しました。生徒たちは4つの大隊に分けられ、各大隊には教官、助教官、通訳が配置されました。

大隊構成

各大隊の教員は、旧日本陸軍出身の将校や下士官で構成されており、それぞれの役割に応じた教育を行っていました。

第1大隊

• - 教官: 谷本喜久男少尉（ベトナム名ドン・フン）
• - 副教官: 青山浩軍曹（チン・クァン）

第2大隊

• - 教官: 中原光信少尉（グエン・ミン・ゴック）
• - 副教官: 大西某（通称クァン）

第3大隊

• - 教官: 猪狩和正中尉（ファン・ライ）
• - 副教官: 柳沼利伝治上等兵（ヴァン）

第4大隊

• - 教官: 加茂徳治中尉（ファン・フエ）
• - 副教官: 峰岸貞意兵長（チャン・クォック・ロン）

医務官

• - 酒井秀雄上等兵（レ・チュン）

時の流れの中で、クァンガイ陸軍中学は教育インフラの一環として、戦士の育成を目的に活動してきました。クァンガイには、民兵出身の指揮官を再訓練するために設立されたクァンガイ軍政学校もあります。また、トゥイホアのナンソン村にも、クァンガイ陸軍中学を模倣したトゥイホア陸軍中学が設立されました。

著名な出身者

この中学を卒業した著名な出身者には、ホー・デー中将、ファン・タイン少将、ルオン・ヴァン・ヌォイ少将などがいます。また、ドー・ツー・クオン大佐やチャン・ディン・マイ大佐、レ・カック・フィン大佐、チャン・ツー・キン大佐といった人々も出身者です。さらに作家タイ・ヴーもその一人です。

このように、クァンガイ陸軍中学はベトナムの軍事教育において重要な役割を担い、多くの歴史的な人物を輩出してきたのです。戦記としても語り継がれ、当時の教育体制の在り方を知る貴重な歴史的存在です。

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