クイズは生だ!〜持ってけ諭吉〜

『クイズは生だ!〜持ってけ諭吉〜』は、宮城県を放送対象地域とするテレビ局、東日本放送（khb）が制作・放送していたユニークな形式のミニクイズ番組です。2000年10月2日に放送を開始し、翌2001年3月29日までのおよそ半年間、平日夕方の帯番組として多くの視聴者に親しまれました。具体的な放送時間は、月曜日から木曜日まで、それぞれ18時55分から19時00分までの5分間という短い枠でした。

この番組の最大の特徴は、その名の通り「生」の要素を取り入れた視聴者参加システムにありました。クイズへの挑戦を希望する視聴者は、事前にハガキを使って番組に応募する必要がありました。番組では、応募されたハガキの中から選ばれた一通に対し、司会者が文字通り、その視聴者の自宅へ電話をかけるという形式が採用されていました。

電話が繋がった視聴者には、司会者から直接クイズが出題されます。この自宅への生電話というスタイルは、テレビの向こう側とこちら側がリアルタイムで繋がるという臨場感を生み出し、番組に独特の緊張感と面白さをもたらしていました。そして、このクイズに見事正解することができれば、番組のサブタイトルにもなっている「諭吉」、すなわち賞金として1万円が贈られました。これは、わずか5分間のミニ番組としては非常に魅力的なインセンティブであり、多くの視聴者が挑戦意欲を掻き立てられた要因の一つと言えるでしょう。

ただし、応募者の中には、自宅に電話回線がない、あるいは何らかの理由で電話での参加が難しいケースも想定されていました。そのような場合には、柔軟な対応として、視聴者がハガキに記載した内容でクイズに挑戦できる機会も設けられていたようです。これにより、より幅広い層の視聴者が番組に参加できる可能性が確保されていました。

番組の進行役である司会は、当時KHBのアナウンサーであった笹川己之機氏や熊谷博之氏らが務めました。彼らの巧みな進行によって、限られた時間の中でスムーズに番組が進められました。

また、『クイズは生だ!〜持ってけ諭吉〜』は、その放送期間中に特別な企画も実施しています。2000年の年末にあたる12月22日には、通常の放送枠を超えた初の年末スペシャルが放送されました。このスペシャル版は、「うじきつよしのワンダーポケット」という別の番組枠内で放送されたと記録されており、番組の人気や注目度の高さを物語っています。

さらに、この番組で採用された「視聴者宅への電話によるクイズ出題」というコンセプトは、番組終了後に始まった後継番組である『夕方ワイドあなたにCue!』でも引き継がれたことが知られています。これは、『クイズは生だ!〜持ってけ諭吉〜』で確立されたユニークな企画が、視聴者からの支持を得て、その後の番組作りにも影響を与えたことを示唆しています。

このように、『クイズは生だ!〜持ってけ諭吉〜』は、短い放送時間ながらも、視聴者がテレビ番組に直接参加できるという革新的な試みと、正解時の明確なインセンティブによって、当時の視聴者に強い印象を残したローカルミニクイズ番組であったと言えます。

もう一度検索