クイズ世界をあなたに

クイズ世界をあなたに

『クイズ世界をあなたに』は、1977年4月3日から1978年3月26日までの約1年間、毎週日曜日の午前11時から11時30分にかけてTBS系列で放映された、TBS製作の視聴者参加型クイズ番組です。司会は関口宏が担当し、出題は紺谷昌代が務めました。

この番組は、一般から募った参加者たちが、海外旅行の獲得を目指して様々なジャンルのクイズに挑戦する内容でした。挑戦者は予選を勝ち抜いた5名で、世界各国の歴史、地理、文化、衣食住、音楽といった幅広い分野から出題される問題に答えていきました。

番組のルール

番組の基本的なルールは以下の通りでした。

解答者は、問題が全て読み上げられた後に順番に解答権を得ます。
正解すると1ポイントを獲得できます。
しかし、不正解の場合は解答者席の上に設置された「×」マークが一つ点灯します。「×」マークが三つ点灯すると、それまでの獲得ポイントが全て失われてしまいます。
一度正解すれば、ついていた「×」マークは全て消滅し、持ち点がリセットされることなくゲームを続行できます。
* クイズの合間には、一部早押し形式の問題も出題されました。

番組の後期には、ポイントの獲得方法に一部変更が加えられました。問題に対し最初に解答する人が正解した場合は1ポイントですが、不正解者が出るたびに次に解答する人が正解した場合の獲得ポイントが増加し、最後の解答者が正解すると最大5ポイントが加算されるという方式が導入されました。

海外旅行を獲得するための条件は、合計15ポイントを達成することでした。15ポイントに到達すると、解答者席の得点表示部に設置された飛行機マークの電飾が点灯します。達成者には、当時の日本交通公社（現在のJTB）が提供するヨーロッパ旅行（回によってはアメリカ旅行の場合もありました）と、副賞として賞金10万円が贈られました。もし旅行達成者が出た後も放送時間に余裕があれば、そのままクイズは続けられ、1回の放送で複数人が旅行を獲得することもありました。

解答者席の上部には、番組を象徴する特徴的なボードが設置されていました。これは世界地図を模したすごろく形式のボードで、スタート地点は日本の東京都の位置に設定されていました。1から14ポイントまでは世界各地の主要都市を巡るマスとなっており、そして15ポイント目のゴールが再び東京に戻るという、旅行をテーマにした番組内容に沿ったユニークなデザインでした。

その他の情報

この番組が始まる以前、1970年から1971年にかけて日本テレビ系列で放送されていた『日清世界クイズ』は、同じく関口宏が司会を務め、番組の内容やルールが本番組と非常に似ていました。これは、両番組の間に関口宏という共通点だけでなく、世界に関するクイズというテーマ性においても関連が深かったことを示唆しています。

また、本番組には後に第95代内閣総理大臣となる野田佳彦氏が、大学2年生の時に出場し優勝、アメリカ旅行を獲得したというエピソードがあります。落語家の三笑亭茶楽師匠も番組に参加し、ヨーロッパ旅行を手にしたことが知られています。

本番組は、三井グループの一社提供番組であり、『兼高かおる世界の旅』から引き継がれた『三井ワールドアワー』という協賛枠で放送されていました。しかし、『クイズ世界をあなたに』の番組終了に伴い、この三井グループによる一社提供の協賛枠も廃止されることとなりました。

短い放送期間ながら、世界への憧れを掻き立てるテーマと、緊張感のあるルール、そして豪華な賞品によって、多くの視聴者に記憶されたクイズ番組でした。

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