クスリのカツマタ

クスリのカツマタ：トモズ傘下で独自性を保つ2店舗の物語

クスリのカツマタは、かつて神奈川県と東京都を中心に展開していたドラッグストアチェーンでした。現在は株式会社トモズ傘下ですが、その歴史と現状は、単なる吸収合併という枠組みでは捉えきれません。本稿では、クスリのカツマタの歩み、トモズとの関係性、そして現在も営業を続ける2店舗の独自性を掘り下げていきます。

独立から吸収合併、そして現在へ

クスリのカツマタは1983年に創業、1984年には株式会社として設立されました。その後、2009年に住友商事が株式の大部分を取得し子会社となります。そして2010年、住商ドラッグストアーズ（現：トモズ）との事業統合を経て、クスリのカツマタは法人としては解散しました。

しかし、この事業統合は、単純な吸収合併とは異なっていました。当時の代表取締役社長、勝又泰夫氏は経営権を売却しましたが、トモズ傘下には入らず、多くの幹部社員や従業員も同様にトモズに所属せず、独自の道を歩むことを選択しました。結果として、経営上の繋がりは完全に断たれましたが、武蔵小山店と和田町店の2店舗は、現在も「クスリのカツマタ」の屋号で営業を続けています。

トモズとの違い：独自の文化と伝統

クスリのカツマタの2店舗は、トモズと異なる点が多く見られます。最も顕著な違いは従業員の服装です。トモズでは統一された制服が採用されていますが、クスリのカツマタでは、創業当時からの服装が現在も踏襲されています。ジーンズでの勤務も許されており、靴の色にも制限がありません。これは、長年培ってきた独自の社風や文化が、今もなお尊重されている証といえるでしょう。

ポイントカードについても、かつては独自のものを使用していましたが、2022年3月までにトモズポイントに統一されました。しかし、「Ponta」や「dポイント」といった共通ポイントサービスの導入など、顧客利便性の向上に向けた取り組みも積極的に行っています。

店舗情報：営業中、転換、閉鎖

現在、営業を続けているのは、東京の武蔵小山店と神奈川の和田町店の2店舗のみです。過去には、東京と神奈川を中心に多くの店舗を展開していましたが、多くの店舗はトモズに転換するか、あるいは閉店しています。

営業中店舗:

武蔵小山店（東京都品川区）
和田町店（神奈川県横浜市保土ケ谷区）

トモズに転換した主な店舗:

東京圏：蒲田駅前店、中延店、中目黒店、学芸大学店、自由が丘駅前店、自由が丘マリクレール店、等々力薬局、鶴川店など

神奈川圏：新丸子店、小杉店、今井町薬局、元住吉薬局、元住吉店、西口薬局、東口店、新城店、稲田堤店、矢向店、大倉山店、白楽店、磯子店など

閉店した主な店舗:

東京圏：蒲田店、自由が丘店など

神奈川圏：溝の口店、平間店、ライフ店、中川薬局など

さらに、移転した店舗もあります。蒲田駅前店は、より広いスペースを求めて移転しています。

まとめ：歴史と伝統を継承する2店舗

クスリのカツマタは、事業統合を経て、その多くはトモズに吸収されました。しかし、武蔵小山店と和田町店の2店舗は、独自の文化と伝統を継承し、現在も営業を続けています。これらの店舗は、単なるドラッグストアではなく、地域に根付いた歴史と、独自の社風を感じることができる場所と言えるでしょう。今後の動向にも注目が集まります。

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