中延

中延（なかのぶ）とは

東京都品川区に位置する中延は、一丁目から六丁目まで区分された住居表示実施済みの区域です。品川区の南西部に位置し、多様な表情を持つエリアとして知られています。

地理

中延の北部は26号線通り（東京都道420号鮫洲大山線）に面し、品川区平塚と接しています。東部は一丁目から三丁目が東中延に、四丁目と六丁目は第二京浜に接し、豊町、二葉、西大井といった地域と隣接しています。南部は大田区北馬込に、西部は西中延や旗の台とそれぞれ接しています。町域内には、荏原文化センター通り、昭和通り、弁天通り、大原通りなどの通りが走り、東急池上線と東急大井町線の線路が地域を東西に横断しています。

第二京浜沿いには商業ビルやマンションなどの高層建造物が立ち並び、駅周辺には中延スキップロードや荏原町商店街といった活気ある商店街が広がっています。これらの商業エリアを除くと、町域の大部分は閑静な住宅地として利用されています。

歴史

中延の歴史は古く、享保15年（1730年）の記録には、13世紀に荏原郡の領主であった荏原義宗がこの地に居住していたと記されています。弘治2年（1556年）には、北条氏康の家臣である大道寺直政と清水永英によって山野が開拓され、永禄2年（1559年）の記録には「中之部」という地名が見られます。

江戸時代には荏原郡中延村として知られ、当初は天領として伊奈氏の支配を受けました。その後、村内の一部が松風十左衛門に与えられましたが、後に寺領となります。天領部分は、伊奈氏改易後に大貫光豊の支配となりました。19世紀前半には、下中延村が一時的に分立しました。

1889年（明治22年）の町村制施行により平塚村の大字となり、1932年（昭和7年）には荏原区中延町となりました。荏原区役所もこの地に設置されました。1941年（昭和16年）に中延、東中延、西中延などに分割され、1965年（昭和40年）の住居表示実施により、中延と東中延の一部が中延一丁目から六丁目に再編されました。

地名の由来

地名の由来は、荏原郡の中部に位置していたことに由来するとも言われていますが、明確な起源は不明です。江戸時代までは「なかのべ」と読まれていました。

かつての同潤会荏原普通住宅地

中延二丁目には、かつて同潤会荏原普通住宅地がありましたが、大規模マンションの建設によりその面影は失われました。

交通

中延には、東急大井町線の荏原町駅と同線と都営浅草線が乗り入れる中延駅があります。地域西部では荏原町駅、東部では中延駅が主に利用されています。また、北東部には東急池上線の荏原中延駅があり、多くの住民に利用されています。第二京浜を走るバス路線も利用可能です。

施設

• - 品川区立荏原文化センター（旧荏原区役所跡地）
• - 荏原税務署
• - 品川区立立会川公園
• - 品川区立中延小学校
• - 品川区立源氏前小学校
• - 社会福祉法人 三徳会 特別養護老人ホーム・成幸ホーム
• - リアルカンパニー

ゆかりのある人物

• - 宮野作太郎（地主）

中延は、歴史と現代が調和した魅力的な地域です。商店街の活気、住宅地の静けさ、そして交通の利便性が、住む人々に快適な生活を提供しています。

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