クズマ・デレビヤンコ

クズマ・ニコラエヴィチ・デレビヤンコ：第二次世界大戦終結の立会人

クズマ・ニコラエヴィチ・デレビヤンコ（Kuzma Mykolaiovych Derevyanko, 1904年11月14日 - 1954年12月30日）は、ウクライナ出身のソ連軍中将です。彼は、第二次世界大戦終結の象徴的な出来事である、日本の降伏文書調印式にソ連代表として参加したことで知られています。

生涯

デレビヤンコは1904年、現在のウクライナ、キエフ県コセニウカ村で生まれました。第二次世界大戦中、彼はソ連軍の重要な指揮官として活躍しました。1945年4月には赤軍を指揮してウィーン攻勢に参加し、5月8日のドイツの無条件降伏に貢献しました。その後、6月5日のベルリン宣言により、連合国によるドイツ占領統治が開始されました。

デレビヤンコの人生における最大の転換期は、第二次世界大戦と太平洋戦争を終結させた、日本の降伏文書調印式への参加でした。当時第35軍参謀長であった彼は、ポツダム宣言受諾後の休戦協定式典で、ソビエト連邦を代表する役割を担いました。

1945年9月2日、東京湾に停泊する戦艦ミズーリで行われた降伏文書調印式において、デレビヤンコはソ連代表として参列しました。式典には、日本の昭和天皇の代理として重光葵全権大使を筆頭に、日本軍の代表者11名が参加しました。マッカーサー元帥の声明によって始まった式典の模様は、世界中に放送されました。

午前9時17分、デレビヤンコはミズーリ艦上で降伏文書に署名し、歴史的な瞬間に立ち会いました。戦後、占領下の日本では、1947年7月までGHQの諮問機関である対日理事会（最高決定機関である極東委員会の出先機関）でソ連代表を務めました。彼は、日本の占領政策に影響を与える重要な役割を果たしました。

しかし、広島と長崎で行った原爆調査の際に放射線を被曝し、その影響で健康を害しました。数年間の闘病生活を送った後、1954年12月30日、膵臓癌により50歳という若さで亡くなりました。彼の遺体は、1955年1月3日にモスクワのノヴォデヴィチ墓地に埋葬されました。

2007年、デレビヤンコの功績が認められ、死後ウクライナ英雄の称号が授与されました。

受勲

デレビヤンコは、その軍事的な功績により、数々の勲章を受章しています。

ウクライナ英雄
レーニン勲章2回
赤旗勲章2回
スヴォーロフ勲章一等
クトゥーゾフ勲章一等
ボグダン・フメリニツキー勲章
赤星勲章
1941-1945大祖国戦争対独戦勝記章
対日戦勝記章
ブダペスト占領記章
ウィーン占領記章
労農赤軍20年「労働者と農民の赤軍のXX年」
* ジュビリーメダル「ソビエト陸海軍の30年」

クズマ・ニコラエヴィチ・デレビヤンコは、激動の20世紀において、重要な役割を果たした人物でした。彼の生涯は、戦争と平和、そしてその狭間で生きる人々の物語を伝えています。

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