クボタン

クボタンとは

クボタンは、空手家の窪田孝行氏が考案した護身用具であり、その術技体系をクボタン護身術と呼びます。一見するとキーホルダーのような外観ですが、いざという時に身を守るための道具として活用できます。

特徴

クボタンは、強化プラスチック製の長さ約14センチメートル、直径1.6センチメートルの棒状の形状をしています。キーリングが付いており、鍵束と一緒に携帯できるため、日常的に持ち歩いても周囲に気づかれにくいのが特徴です。緊急時には、腰のベルトから素早く取り出し、反撃に転じることができます。

クボタンの最大の利点は、その簡素さと習得の容易さにあります。形状は単純ですが、「打ち」「突き」「払い」「締め」など、様々な護身技を繰り出すことができます。また、鍵束と組み合わせることで、打撃の威力を増すことも可能です。

歴史

クボタンのルーツは、琉球空手で使用されていた「ヤワラ」という隠し武器にあります。開発当初は「ペンテクニック」と呼ばれていましたが、後に考案者の名前と警棒を意味する「バトン」を組み合わせて「クボタン」と命名されました。

1977年には、ロサンゼルス市警が女性警官向けにクボタンを採用したことを皮切りに、アメリカの一部の警察組織やFBIでも逮捕術の一環として使用されています。

法的規制

日本では、クボタンを所持・携帯することが犯罪となる可能性があります。一方、アメリカでは、警察官が使用していることから武器とみなされ、空港や法廷などへの持ち込みが禁止されています。所持・携帯には注意が必要です。

商標と類似品

「クボタン」は窪田孝行氏の登録商標であり、正規品には「Kubotan」の刻印がされています。他のメーカーからも類似品が販売されていますが、商標の関係から「ヤワラ」「ヤワラスティック」「ジュードースティック」「コッポースティック」など、異なる名称が用いられています。

しかし、インターネット上では、正規品ではないものが「クボタン」の名称で販売されている例が多く見られます。これらの非正規品には、以下のような特徴が見られます。

内部が中空で、金属製のスパイクを内蔵しているもの
先端が尖っていて、点穴を目的としたと思われるもの
素材がアルミ製のもの

これらの非正規品は、違法に製造・流通している場合が多く、注意が必要です。また、「特殊[[警棒]]」という名称が伸縮式警棒の総称として使われているのと同じように、クボタンにも正規品以外の商品が多く出回っているのが現状です。

まとめ

クボタンは、コンパクトで携帯性に優れ、護身術の道具として有効なツールです。しかし、その使用には法的規制や安全性の問題が伴います。購入・使用の際には、正規品を選ぶとともに、関連する法規を遵守し、適切な使用を心がけることが重要です。

参考文献

窪田孝行『クボタン護身術』（並木書房、1994年初版～1996年3版）
カヅキ・オオツカ『海外旅行者のための護身術』（データハウス、2003年）
Takayuki Kubota『Action Kubotan -Key Chain An Aid in Self Defance-』（International Karate Association,Inc、1998年）

関連項目

護身術/逮捕術
正当防衛/過剰防衛
盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律
警棒/特殊[[警棒]]
暗器
ミルウォール・ブリック
仕込み杖
ブラックジャック ([[武器)]]
防犯装備
空手道
手 (沖縄武術)
ストリートファイト

外部リンク

窪田孝行公式サイト（英語）
クボタンプロモーション映像（英語）

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