クモワカ

クモワカの歴史と繁殖の功績

クモワカは、1948年に誕生した日本の競走馬や繁殖牝馬で、繁殖名は丘高として知られています。彼女の経歴は非常に波乱万丈であり、特に「クモワカ伝貧事件」と呼ばれる出来事が有名です。この事件は競馬界においても大きな話題となり、彼女の血筋からは数多くの優秀な馬が輩出されています。

競走馬としての経歴

クモワカは1950年10月にデビューし、レースでは11勝を挙げました。重賞での優勝はなかったものの、桜花賞で2着、菊花賞で4着といった成績を残し、当時の競走馬としての地位を確立しました。彼女は競走馬生活を経て、繁殖牝馬となる運命を辿りました。

クモワカ伝貧事件

1952年夏、クモワカは体調を崩し、馬伝染性貧血という病気と診断されました。この診断を受け、京都府知事によって殺処分の通告が出される事態となりました。しかし、実際にはクモワカの健康状態は回復し、感染の証拠が見つからなかったため、厩舎関係者や馬主は疑念を抱きました。これを受けて、馬主の山本谷五郎は、彼女が試験治療用の研究馬として扱われることを懇願し、殺処分は延期されました。

その後、1955年にクモワカは北海道の吉田牧場へ移送され、繁殖牝馬としての役割を担うことになりました。移送の際には、特別な移動証明書が不要とされ、これが実現したと言われています。1956年からは種牡馬との交配が開始され、彼女の繁殖名「丘高」で軽種馬登録協会への申請がなされました。しかし、協会は彼女の正体を認識し、登録の取消しを通告しました。

そこで山本は京都府に再検査を要求。その結果、1959年に再診断が行われ、クモワカは陰性とされ、殺処分通告は取り消されました。次いで登録も再申請され、協会は健康診断後の再登録を認める決議をしました。結果、クモワカは正式に登録され、賛成の声が多く集まったことから、騒動は収束しました。

繁殖成績

クモワカからは多くの優秀な産駒が誕生しています。代表的な産駒には、与えられた名前の通り「ツキサクラ（天佑）」や「ワカクモ」、「ヤマサクラ」などがあり、それぞれが競走馬としてのキャリアを持っています。特にワカクモは桜花賞を制するなど、素晴らしい成績を収めました。

主要な産駒一覧

• - 1957年生 ツキサクラ（未勝利）
• - 1960年生 ヤマサクラ（7勝）
• - 1963年生 ワカクモ（11勝、桜花賞優勝）
• - 1968年生 タチクモオー（13勝、日本海賞優勝）

これらの産駒は、今なおクモワカの遺伝子を引き継ぎ、多大な功績を残しています。

血統と子孫

クモワカの子孫は「亡霊の子」や「亡霊の孫」と呼ばれるなど、特殊な背景を持ったファミリーとして注目されています。彼女の血統は競馬界に多くの影響を与えており、近親には著名な馬も存在します。クモワカの物語は、競走馬や繁殖牝馬の世界の中で変わらぬ影響力を持ち続けています。彼女の功績は今後も語り継がれ、多くの馬たちに受け継がれることでしょう。

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