クライヴ・グリーンスミス

クライヴ・グリーンスミスは、英国出身の優れたチェロ奏者として知られています。

彼の音楽的キャリアは、マンチェスターのロイヤル・ノーザン音楽カレッジでの学びから始まりました。卒業後、彼はロンドンの名門ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団で首席チェリストという重要なポジションを務めました。それに加え、フィルハーモニア管弦楽団、イギリス室内管弦楽団、さらにはイタリアのRAI国立交響楽団など、国内外の主要なオーケストラから客演首席奏者としても度々招かれ、その技量を披露しました。

オーケストラでの活動と並行して、彼は室内楽奏者としても精力的に活動。数多くの国際的な音楽祭に頻繁に出演し、世界的に著名なアーティストたち、例えばピアニストのアンドラーシュ・シフ氏やブルーノ・カニーノ氏、ヴァイオリニストの五嶋みどり氏といった名手たちとの共演を果たしています。

彼のキャリアにおいて特筆すべきは、2000年に世界有数の弦楽四重奏団である東京クヮルテットに加入したことです。これは、前任のチェリストであった原田禎夫氏が1999年に退団した後の出来事でした。クヮルテットという室内楽の形態について、彼は入団直後の感想として、各メンバーが楽曲の解釈の「あらゆる側面に対して責任を負わなければならない」ことの重みを挙げ、「何事もおろそかにすることは許されない」と語っています。また、初期の頃は「コンサートで演奏するのに、これほど高い集中力が必要なのかと、ただただ驚いた」と、その要求度の高さを明かしています。

さらに時を経て、東京クヮルテットが結成40周年という大きな節目を迎えた2009年9月、彼はグループの一員としてコメントを発表しました。「それぞれ異なる経歴を持つメンバーが集まり、これまでに築き上げられてきた輝かしい伝統を尊重しつつも、常に未来へと目を向けていく姿勢。これは私たちの活動にとって非常に大切な要素です」と述べました。そして、40周年を迎えた今でも「自分たちが新たな試みを続け、聴衆の皆様に関心を持ってもらえる存在であり続けられていることを、心から嬉しく、誇りに思っています」と、長年にわたる活動への思いと、革新への意欲を示しました。

演奏家としての活動に加え、彼は教育者としても重要な役割を担っています。サンフランシスコ音楽院で教授を務めたのを皮切りに、ニューヨークにあるマンハッタン音楽学校、そしてコネティカット州のイェール大学音楽院でも教鞭をとり、後進の育成に力を注いでいます。

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