ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団

ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団

ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団（Royal Philharmonic Orchestra、RPO）は、イギリス・ロンドンに拠点を持つ著名なオーケストラです。この楽団は、イングランドを代表するオーケストラの一つとして知られ、特に国内での演奏活動に力を入れています。そのため、「イギリスの国民的オーケストラ」としての地位を確立しています。2018年のデータによれば、このオーケストラのメンバーは約75名です。

歴史的な背景

現行のロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団の起源は、1919年に設立された「ロイヤル・フィルハーモニー協会」にあります。しかしこのオーケストラは1931年に活動を停止し、その後、1932年にトーマス・ビーチャムが設立したロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の母体となりました。このように、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団と前身の楽団は別の存在であるため、前者のことを区別するために「旧ロイヤル・フィル」と呼ぶことがあります。

現行のロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団は、1946年にビーチャムによって創設されました。1963年には株式会社と合併し、自治団体に移行しました。「ロイヤル」の称号はビーチャムが協会からの許可を受けて使用し、1966年にエリザベス2世女王から正式に認可されました。これは、エリザベス皇太后が生前にパトロンを務めていたことも影響しています。

最初の演奏会は、1946年の9月15日にクロイドンで行われました。翌1950年にはアメリカ合衆国へのツアーも実施し、イギリスのオーケストラとして二度目の渡米を果たしました。これは、1912年にロンドン交響楽団が初めて行ったアメリカ公演に次ぐものでした。

幅広い音楽スタイル

ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団は、クラシック音楽だけでなく、映画音楽やポップ音楽、さらにはロック音楽のアレンジでも高い評価を得ています。具体的には、フリオ・イグレシアスやビートルズ、オアシス、ピンク・フロイドといったアーティストとの協働があり、日本でもTHE ALFEE|THE_ALFEEやX JAPANとのコラボレーションが特に注目されています。また、1987年には「RPOポップス」を設立し、軽音楽やクラシックを組み合わせた演奏を展開しています。

主な指揮者たち

歴代の首席指揮者としては、トーマス・ビーチャム（1946-1961）、ルドルフ・ケンペ（1961-1975）、アンタル・ドラティ（1975-1978）などが名を連ねており、芸術監督や桂冠指揮者としても多くの才能が在籍しました。近年では、シャルル・デュトワ（2009-2018）や現首席指揮者のヴァシリー・ペトレンコが活動しています。

日本での活動

ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団は、日本においても数々のコラボレーションを行っており、石井竜也『日時計』やX JAPANの『ART OF LIFE』などのオリジナル・サウンドトラックにも関与しています。その他、久石譲や福山雅治、松田聖子といった日本のアーティストとの共演も見られ、音楽の多様性をも与えています。

このようにロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団は、クラシック音楽を中心に多岐にわたるジャンルに挑戦し続け、国際的に評価される存在として音楽界での名声を確立しています。

もう一度検索