クラクラ日記

『クラクラ日記』は、随筆家であり坂口安吾の妻であった坂口三千代による自伝的エッセイ作品です。安吾の没後、銀座で「クラクラ」という文壇バーを経営していた三千代が、安吾との出会いから突然の死までの日々を、自らの視点から描いています。

1967年に文藝春秋から出版され、その後、潮文庫、ちくま文庫からも刊行されました。この作品は、単なる夫婦の物語にとどまらず、昭和の文壇の雰囲気や、戦後の混乱期を生きる人々の姿を鮮やかに描き出しています。

作中には、安吾が三千代に自作の短編小説『青鬼の褌を洗う女』が掲載された雑誌を渡し、その主人公が三千代自身であることを示唆する印象的な場面があります。この出来事は、1947年10月初旬、二人が正式に結婚する直前の出来事として描かれています。

テレビドラマ化

『クラクラ日記』は、1968年にTBS系列でテレビドラマ化されました。若尾文子が三千代に相当する役を演じ、藤岡琢也が安吾に相当する小説家役を演じました。若尾文子にとって初のテレビ出演作品であり、その演技は高く評価され、ギャラクシー賞を受賞しました。

キャスト
若尾文子
藤岡琢也
市川翠扇
千石規子
スタッフ
原作：坂口三千代
製作著作：TBS

関連書籍

『クラクラ日記』に関連する書籍として、以下のものが挙げられます。

坂口安吾『青鬼の褌を洗う女』
坂口三千代『安吾追想』
坂口三千代『追憶 坂口安吾』
坂口綱男『安吾と三千代と四十の豚児と』
七北数人『評伝 坂口安吾 - 魂の事件簿』
『安吾マガジン』

これらの書籍を読むことで、『クラクラ日記』の世界観をより深く理解することができます。

『クラクラ日記』は、夫婦の愛の物語であると同時に、一人の女性が夫の死を乗り越え、自立していく姿を描いた感動的な作品です。また、テレビドラマ版も、昭和の雰囲気を色濃く残した作品として、多くの人々に愛されています。

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