クラフトワーク 2

クラフトワーク 2（Kraftwerk 2）

『クラフトワーク 2』は、ドイツのエレクトロニック音楽バンド、クラフトワークによって1972年にリリースされたアルバムです。前作と同じく、メンバーのラルフ・ヒュッターとフローリアン・シュナイダーはこのアルバムを公式な作品として認めておらず、そのため再発売は行われていません。ただし、1990年代には「Germanofon」と呼ばれるブートレグとして広く出回りました。また、著作権の規制が緩やかなイタリアのクラウン・レコードから、1994年に正規盤CDとしてリリースされることになりました。

レコーディングエンジニアは、前作に続いてコニー・プランクが担当しています。音楽のミキサーはフローリアンが行いました。また、ジャケットデザインはラルフ・ヒュッターの手によるもので、前作と同じく工事用コーンがモチーフにされていますが、色が赤から緑に変更されています。これは、視覚的にも新たな試みを注意深く感じ取らせる演出として意図されているようです。

本作の制作にあたっては、前作に参加していたアンドレアス・ホーマンやクラウス・ディンガーが脱退しており、ギターのミヒャエル・ローターも一時期参加していたものの、最終的にはラルフとフローリアンの二人だけで作り上げられました。この変化は、グループの音楽スタイルに新たな方向性を与える要因ともなっています。

特筆すべきは、リズムマシンが初めてレコーディングに使用されたことです。この技術の導入により、今後のクラフトワークの音楽的探究が大きく進展していくことになります。本作の制作に関し、ラルフ・ヒュッターは2009年のインタビューで、クリング・クラングスタジオに保存されている初期のアルバムに関するリマスター作業をしていることを明かしました。その結果、初期の三作品がパッケージとして再リリースされることはなかったものの、2013年には公式のSoundCloudアカウントで当時のオリジナル音源が無償公開されました。

曲目リスト

本作には以下のような曲が収録されています。

• - Klingklang (17:36) - (Ring Sound)
• - Atem (02:57) - (Breath)
• - Strom (03:52) - (Stream)
• - Spule 4 (05:20) - (Reel 4)
• - Wellenlänge (09:40) - (Wavelength)
• - Harmonika (03:17) - (Harmonica)

演奏者

本アルバムでの演奏者は次の通りです。

• - ラルフ・ヒュッター: オルガン、エレクトリック・ピアノ、ベース、リズムマシン、グロッケンシュピール、ハーモニカ
• - フローリアン・シュナイダー: フルート、ヴァイオリン、ギター、グロッケンシュピール

『クラフトワーク 2』は、クラフトワークの音楽的実験が色濃く反映された貴重な作品であり、エレクトロニカというジャンルの重要な一歩を象徴しています。

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