クラボウバレーボール部

クラボウバレーボール部の歴史

クラボウバレーボール部は、岡山県倉敷市を本拠地とし、かつて活躍していた女子バレーボールチームです。その起源は昭和23年（1948年）、倉敷紡績万寿工場の女子チームとして全国大会に初めて出場したことに始まります。当時、紡績業界が好景気にあり、選手たちは西日本各地から集まりました。50年代から60年代にかけて、日本の高度経済成長期の中でこのチームは華々しい活躍を見せ、バレーボール界において黄金時代を迎えました。

具体的には、昭和25年（1950年）には全日本実業団選手権や国体で優勝を果たし、さらに昭和27年（1952年）には第1回全日本都市対抗選抜優勝大会である黒鷲旗全日本選手権でも倉敷市代表として初代チャンピオンとなりました。この頃、クラボウバレーボール部は威風堂々とした存在感を放ち、昭和30年代には通算14の全国タイトルを獲得し、名選手たちも輩出しました。

その間、選手たちは優勝後には倉敷駅前で音楽隊を伴った凱旋パレードを行い、街中は祝賀ムードに包まれました。しかし、時代が進むにつれて日本のバレーボール界には6人制が導入され、この新たな形式に適応していくことが求められました。初期、監督の佐藤賢吉は体育館の不足と練習時間の制約から、チームには9人制が適していると判断しましたが、国際舞台では6人制が主流となっていきました。

時間が経つに伴い、競技スタイルの変化についていけず、昭和46年（1971年）には日本リーグから実業団リーグへの転落を余儀なくされました。特に、昭和48年（1973年）にはエースアタッカーである白井貴子が他チームへ移籍し、チームの弱体化が進む結果となりました。経済的背景にも影響され、クラボウバレーボール部はその後も低迷を続け、昭和61年（1986年）には試合数の減少とともにチーム名が改称されました。

最終的には、平成3年（1991年）に倉敷工場が閉鎖され、クラボウバレーボール部は廃部となりました。その跡地には後に倉敷チボリ公園が開設された後、現在ではアリオ倉敷や三井アウトレットパークといった商業施設が建設されています。

クラボウバレーボール部の成績

クラボウバレーボール部が達成した主な成績は次の通りです。

• - 実業団リーグ： 優勝 3回（1973年度、1974年度、1975年度）
• - 全日本都市対抗選抜優勝バレーボール大会： 優勝 3回（1952年度、1955年度、1960年度）
• - 国民体育大会バレーボール競技会一般女子の部： 優勝 8回（1952年度、1956年度、1957年度、1961年度、1962年度、1964年度、1967年度、1968年度）
• - 全日本9人制バレーボール実業団女子選手権大会： 優勝 6回（1950年度、1956年度、1959年度、1960年度、1961年度、1962年度）
• - 全日本9人制総合女子バレーボール選手権大会： 優勝 2回（1956年度、1957年度）
• - 全日本総合（6人制）： 準優勝 4回（1959-1960年、1963-1964年）

廃部年度の選手・スタッフ

最後の年には、以下のような主な選手やスタッフが在籍しており、その活躍が記憶に残っています。

• - 有馬民子
• - 中野尚子
• - 近藤雅子
• - 白井貴子
• - 津雲博子

このように、クラボウバレーボール部は長い歴史を持ちながらも、激しい時代の波に翻弄され、その活動を終えることとなりました。しかし、その功績と影響は現在もなお、多くの人々に語り継がれています。

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