クラレンス・グリフィン

クラレンス・グリフィン

クラレンス・グリフィン（Clarence Griffin, 1888年1月19日 - 1973年3月28日）は、カリフォルニア州サンフランシスコ出身の著名な男子テニス選手です。彼は1910年代後半に特にダブルス競技で名を馳せ、全米選手権の男子ダブルスで1915年、1916年、1920年の3度優勝を果たしました。フルネームはクラレンス・ジェームズ・グリフィンで、愛称は“ペック”です。また、著名なエンターテイナーであるマーヴ・グリフィンの叔父としても知られています。

来歴

グリフィンは比較的遅い25歳という年齢でテニスに本格的に取り組み始めました。彼の競技人生は、男子ダブルスでの成功によって彩られました。同選手は、ビル・ジョンストンとペアを組み、3度全米選手権で優勝を果たすことになります。シングルスにおいても1916年には準決勝に進出しましたが、リチャード・ウィリアムズにストレートで敗れたのが自己最高成績です。

第一次世界大戦の最中には、さまざまなテニス大会が中断されていましたが、全米選手権だけは戦時中も開催が続けられました。戦争が終わった1918年の後、ウィンブルドン選手権やデビスカップが1919年に再開され、グリフィンも1919年に初めてウィンブルドン選手権に出場しました。しかし、この大会ではシングルスの2回戦で敗退を喫しました。

1920年には、再びビル・ジョンストンと共に全米選手権男子ダブルスで優勝を成し遂げ、4年ぶりのタイトルを手にしました。グリフィンはその後も全米選手権に定期的に出場し続け、最終的には1931年に43歳で大会へ最後の出場を果たしました。一方で、デビスカップにアメリカ代表選手として参加することはありませんでした。

特筆すべきは、彼が1915年1月にフィリピン・マニラで開催された「東洋選手権大会」に出場したことです。グリフィンはこの時、日本のテニス選手、熊谷一弥と対戦しました。グリフィンは当時全米テニスランキングの6位に位置しており、シングルス決勝で熊谷に敗れ、準優勝となったが、ダブルスではウォード・ドーソンと組んで熊谷と三神八四郎のペアを破り、熊谷の単複優勝を阻止しました。この出来事は日本における硬式テニスの発展に寄与した選手の一人として、グリフィンの名も記憶されています。

1970年には国際テニス殿堂に選出され、殿堂入りから3年後の1973年に、クラレンス・ジェームズ・グリフィンは85年間の生涯をサンタバーバラで静かに閉じました。彼のテニス界への貢献や、特にダブルス競技における業績は、今も多くの人々に記憶されています。

全米選手権の成績

• - 男子ダブルス: 3勝（1915年・1916年・1920年）

- パートナーはすべてビル・ジョンストン

参考文献

岡田邦子著『日本テニスの源流 福田雅之助物語』（毎日新聞社、2002年）では、グリフィンと熊谷の対戦について記載されています。

外部リンク:

• - クラレンス・グリフィン - 国際テニス殿堂のプロフィール

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