クランベリーズ

クランベリーズ (The Cranberries)

クランベリーズは、1989年にアイルランドで結成されたロックバンドです。独特の歌声を持つドロレス・オリオーダンをボーカルに迎え、世界的な成功を収めました。2004年に活動を休止しましたが、2009年に再開。しかし、2018年にドロレスが急逝し、2019年に最後のアルバム『In The End』をリリースして解散しました。

歴史

バンドは、ノエルとマイクのホーガン兄弟、ファーガル・ロウラーを中心に結成されました。当初は「The Cranberry Saw Us」という名前で、ボーカルはナイアル・クインでした。その後、ナイアルが脱退し、ドロレス・オリオーダンが加入。彼女はすぐに才能を発揮し、「リンガー」という曲を作詞しました。

デモ音源の制作と販売後、バンド名をザ・クランベリーズに変更。ピアース・ギルモアをマネージャー兼プロデューサーに迎えました。アイランド・レコードとの契約後、デビューシングル「Uncertain」をリリースしますが、商業的な成功には至りませんでした。その後、ジェフ・トラヴィスをマネージャー、ステファン・ストリートをプロデューサーに迎え、再出発します。

1990年代初頭、「ドリームス」「リンガー」などのシングルやアルバムをリリース。ドロレスの表現力豊かなボーカルが注目を集めましたが、まだ世界的な成功には至りませんでした。しかし、アメリカでのツアーを通じて徐々に人気を獲得し、「リンガー」がMTVでヘビーローテーションされるようになり、チャートの上位にランクインしました。

1994年には、アルバム『ノー・ニード・トゥ・アーギュ』を発表。「ゾンビ」は、北アイルランド問題をテーマにした反戦歌で、世界中で大ヒットしました。その後も、アルバムのリリースやツアーを行い、世界的な人気を確立しました。

しかし、1990年代後半には、オリオーダンの脱退やバンドの音楽性の変化など、様々な問題が発生。アルバムの売り上げは以前ほど伸び悩みましたが、2000年代に入ってからも、アルバムのリリースやツアーを続けました。

2004年にバンドは活動を休止しますが、2009年に再開。2012年には、11年ぶりのアルバム『ローゼズ』をリリースしました。しかし、2018年にドロレスが急逝し、バンドは2019年に解散しました。

音楽性

クランベリーズの音楽性は、オルタナティブ・ロック、ドリーム・ポップ、フォークなど、様々な要素を取り入れています。ドロレス・オリオーダンの独特の歌声と、メロディアスな楽曲が特徴です。「リンガー」や「ドリームス」のようなポップなアコースティック・ソングから、「ゾンビ」のような政治色の濃いヘヴィなサウンドの楽曲まで、幅広い音楽性を持っています。

影響

クランベリーズは、シネイド・オコナー、スージー・アンド・ザ・バンシーズ、ジョイ・ディヴィジョン、ザ・キュアー、エコー&ザ・バニーメン、ザ・スミスなどから影響を受けました。

メンバー

ノエル・ホーガン (ギター)
マイク・ホーガン (ベース)
ファーガル・ロウラー (ドラム)
ドロレス・オリオーダン (ボーカル、ギター、キーボード) ※2018年死去

ディスコグラフィー

ドリームス (1993年)
ノー・ニード・トゥ・アーギュ (1994年)
トゥ・ザ・フェイスフル・ディパーテッド - 追憶と旅立ち (1996年)
ベリー・ザ・ハチェット (1999年)
ウェイク・アップ・アンド・スメル・ザ・コーヒー (2001年)
ローゼズ (2012年)
サムシング・エルス (2017年)
イン・ジ・エンド (2019年)

代表曲

リンガー
ドリームス
ゾンビ
イラスティック・アイズ
* フリー・トゥ・ディサイド

クランベリーズは、1990年代を代表するロックバンドの一つとして、世界中の音楽ファンに愛されています。ドロレス・オリオーダンの歌声は、時代を超えて人々の心に響き続けています。

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