クリスティアン・エルンスト (ザクセン＝コーブルク＝ザールフェルト公)

クリスティアン・エルンスト：ザクセン＝コーブルク＝ザールフェルト公の生涯

クリスティアン・エルンスト（1683年 - 1745年）は、ザクセン＝コーブルク＝ザールフェルト公として、18世紀のドイツを生きた人物です。彼の生涯は、敬虔主義への傾倒、身分違いの結婚、兄弟との共同統治、そして領土の獲得といった、様々な出来事に彩られています。

生い立ちと結婚

クリスティアン・エルンストは、ザクセン＝ザールフェルト公ヨハン・エルンストの長男として生まれました。彼は父の意に反し、1709年にクリスティアーネ・フリーデリケ・フォン・コスと婚約します。クリスティアーネは敬虔主義者であり、二人は信仰を通じて深く結びつきました。しかし、彼女は貴族出身ではなかったため、この結婚は周囲の反対を受けました。

父ヨハン・エルンストは最終的に結婚を許可しましたが、クリスティアン・エルンストの異母弟フランツ・ヨシアスは、妻の身分が低いことを理由に相続権を主張しました。兄弟の妻の序列という問題も生じました。最終的に、クリスティアン・エルンストの妻はプリンツェシンの称号を持つものの、義理の妹より下位とすることが決定されました。この結婚から生まれた子供は称号を持つものの、継承権は認められないという条件も付きました。

共同統治と領土の拡大

1729年に父が亡くなると、クリスティアン・エルンストは弟フランツ・ヨシアスと共同で公国を統治することになりました。クリスティアン・エルンストはザールフェルトに、フランツ・ヨシアスはコーブルクに拠点を置き、主にクリスティアン・エルンストが実務を担当しました。

共同統治時代には、「コーブルク・アイゼンベルク・レームヒルトの相続争い」が起こり、ザールフェルト家はコーブルクなどの領土を獲得し、ザクセン＝コーブルク＝ザールフェルト公国と改称しました。これにより、クリスティアン・エルンストの治世は、領土の拡大という成果をもたらしました。

敬虔主義への傾倒と文化活動

クリスティアン・エルンストは病弱であり、敬虔主義に深く傾倒していました。彼はニコラウス・ルートヴィヒ・フォン・ツィンツェンドルフを招いて対話を重ね、頻繁に手紙をやり取りしました。また、教会の賛美歌を作曲し、自ら作詞した賛美歌集も出版しました。1733年には、敬虔主義者のベンジャミン・リンドナーを監督職および宮廷牧師に任命するなど、信仰に基づく活動を積極的に行いました。

死去と遺産

1743年に妻クリスティアーネ・フリーデリケが亡くなると、クリスティアン・エルンストは彼女を記念する金貨を鋳造しました。しかし、自身も1745年に嗣子なく死去し、弟フランツ・ヨシアスが唯一の相続人となりました。彼の死後、フランツ・ヨシアスが単独で公国を統治することになりました。

クリスティアン・エルンストは、敬虔主義に傾倒し、領土を拡大したザクセン＝コーブルク＝ザールフェルト公として、歴史に名を残しています。彼の生涯は、信仰と政治、そして家族関係が複雑に絡み合った、興味深い物語として語り継がれています。

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