クリスティーヌ・ラガルド

クリスティーヌ・マドレーヌ・オデット・ラガルドは、1956年1月1日、フランスのパリで生まれました。幼少期をル・アーヴルで過ごし、カトリック教育を受けました。10代の頃にはアーティスティックスイミングの選手としてフランス代表チームに所属するなど、スポーツに打ち込んでいました。しかし16歳で父親を亡くし、母親と3人の弟と厳しい生活を強いられました。

困難な環境の中、彼女は勉学に励み、バカロレアを取得。パリ第10大学、エクス＝アン＝プロヴァンス政治学院を卒業しました。その後、フランス国立行政学院（ENA）の入学試験に2度挑戦するも不合格となりますが、この経験を自身の糧として捉えています。

1981年、国際法律事務所ベーカー＆マッケンジーのパリオフィスで弁護士としてキャリアをスタートさせました。才能と努力で頭角を現し、シカゴ本部でエグゼクティブ、そしてチェアマンに就任。女性として初めて同事務所の所長を務めた経験も持ちます。

弁護士としてのキャリアを経て、彼女はフランスの政治の世界へ足を踏み入れます。ジャン＝ピエール・ラファランによって政界に迎え入れられ、ドミニク・ド・ヴィルパン内閣、フランソワ・フィヨン内閣で大臣を務めました。2007年には経済・財政・産業相（財務大臣に相当）に就任し、G8において初の女性財務大臣となりました。反トラスト法や労働法の専門家としても知られています。

2006年には、アメリカの経済誌『フォーブス』が選出する「世界最強の女性30」に選ばれるなど、その手腕は国際的にも高く評価されました。

2011年、国際通貨基金（IMF）の専務理事に全会一致で選出され、女性として初めてこの要職に就きました。これは、当時性的暴行容疑で逮捕・起訴された前任者の後任として、最有力候補として名が挙がった結果でした。IMF専務理事在任中には、2018年に女性初のIMFチーフエコノミストとしてギータ・ゴピナートを任命しました。

2019年7月、欧州中央銀行（ECB）の次期総裁に就任が決定し、同年1[[1月1日]]に就任しました。これも女性初の大抜擢となります。ECB総裁就任に伴い、同年9月12日にIMF専務理事を退任しています。

ラガルド氏は、2008年のG8財相会合では、世界経済が金融危機、原油高、食料高という「3F危機（Finance、Fuel、Food）」に直面していると警告しました。この発言は、世界的な経済状況を的確に捉えたものとして注目を集めました。

私生活では、元夫との間に2人の息子がいます。2006年からはマルセイユの実業家とパートナーシップを築いています。2013年には、フランス財務大臣時代の疑惑に関し、パリの自宅が家宅捜索されるという出来事がありました。

クリスティーヌ・ラガルドは、弁護士、政治家としてだけでなく、女性アスリート、そして母親としての経験も持ち合わせた稀有な存在です。困難を乗り越え、常に挑戦を続ける彼女のキャリアは、多くの女性にとって、大きな希望と勇気を与えるものです。彼女の国際的な活躍は、これからも世界経済に大きな影響を与えることでしょう。

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