エクス＝アン＝プロヴァンス政治学院

エクス＝アン＝プロヴァンス政治学院 (Sciences Po Aix) について

エクス＝アン＝プロヴァンス政治学院（フランス語: Institut d'Etudes Politiques d'Aix-en-Provence、通称: Sciences Po Aix）は、フランス南部、プロヴァンス地方の中心都市エクス＝アン＝プロヴァンスに所在する、社会科学分野における高等教育機関、いわゆる「グランゼコール」です。エクス＝マルセイユ大学に所属する行政的公施設法人であり、フランス国内の政治学院の中でも特に評価の高い一校として知られています。

歴史

1956年3月27日、プロヴァンス＝エクス＝マルセイユ大学の政治学研究所として、同大学法学部の建物を利用し発足しました。1969年1月18日の法令により、現在の名称であるエクス＝アン＝プロヴァンス政治学院となりました。2007年には、フィリップ・セガンが学長に就任。セガン急逝後、2010年にはクリスティーヌ・ラガルドが学長に選出されています。

評議会には、国立行政学院学長、フランス国立政治学財団会長、エクス＝マルセイユ大学学長など、各界の著名人が名を連ねています。

教育

入学は非常に狭き門であり、毎年バカロレア取得後の試験で選抜された約200名のみが合格します。5年間の教育課程では、公共サービス、欧州・国際関係、企業研究、文化・社会科学、比較政治学、広報・通信の6つの専門分野を深く学びます。

3年次には、交換留学や海外インターンシップが必修となっており、早稲田大学、中央大学、同志社大学など、日本の大学への留学も可能です。

グランゼコールの習慣

公開口述卒業試験 (Grand Oral)

4年次の6月には、フランスの政治学院特有の卒業試験である「グラントラール」が実施されます。学生は教員を前に、図書を引用した評論を10分間で発表し、その後20分間の質疑応答に臨みます。弁論術と一般知識が評価され、合格点は20点満点中10点。不合格の場合、卒業証書は授与されません。

卒業年への命名

他のグランゼコールと同様に、2006年以降、卒業年ごとに著名人の名前が冠されています。例として、リュシー・オブラック（2006-2011）、ヴィクトル・ユーゴー（2007-2012）、アルベール・カミュ（2010-2015）などが挙げられます。

体育も重視されており、「健全な精神は健全な身体に宿る」という理念に基づき、クリテリアムと呼ばれる政治学院間のスポーツ大会にも参加しています。

学位

欧州高等教育改革の一環として、政治学院の卒業証書に加え、15の修士課程を提供しています。アルベルト・ルートヴィヒ大学フライブルクやサロン＝ド＝プロヴァンス空軍学院との共同修了書も提供しています。

専門職修士課程では、国際業務、機関広報・国際政治報道、多文化経営・多宗教調停、政界工学、応用EU政策、地方自治方策、公務職業、行政契約法・競争法、スポーツ機関の経営などを学ぶことができます。

研究修士課程では、比較政治学、政策行動・規制、ヨーロッパおよび地中海地帯における宗教と社会、比較軍事史・戦略地政学・防御・安全対策などを研究できます。

主な卒業生

エクス＝アン＝プロヴァンス政治学院は、数多くの著名な政治家、官僚、学者、ジャーナリストを輩出してきました。

クリスティーヌ・ラガルド（欧州中央銀行総裁）
エリザベート・ギグー（元司法大臣）
小松一郎（元内閣法制局長官・元駐フランス大使）

など、各界で活躍する人材を数多く輩出しています。

外部リンク

エクス＝アン＝プロヴァンス政治学院公式サイト
* エクス＝アン＝プロヴァンス政治学院卒業生協会公式サイト

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