クリストフ・モロー

クリストフ・モロー（Christophe Moreau、1971年4月12日- ）は、フランス・エーヌ県ヴェルヴァン出身の元自転車競技選手です。

経歴

アマチュア時代、1994年の世界自転車選手権（100kmチームタイムトライアル）でフランスチームの一員として2位に貢献しました。この年、モローはプロへの扉を開き、1995年にフェスティナとプロ契約を結びました。

しかし、1998年のツール・ド・フランスでは、チーム全体を揺るがすドーピングスキャンダル（通称：フェスティナ事件）が発覚。チームは第6ステージ終了時点で大会から追放されるという厳しい処分を受けました。モロー自身もEPO使用の疑いをかけられ、出場停止処分を受けました。

翌1999年、チームは再編を余儀なくされ、ヴィランクやアレックス・ツェーレらが移籍する中、モローはローラン・ブロシャールらと共にチームに残留。同年のツール・ド・フランスでは総合25位という結果でした。

2000年のツール・ド・フランスでは、アルプス越えステージでその実力を発揮。第19ステージの個人タイムトライアルでは3位に入り、総合4位という好成績を収めました。

2001年には、ドーフィネ・リベレで総合優勝を果たし、ツール・ド・フランスではプロローグを制覇。第11ステージまでマイヨ・ジョーヌを保持しましたが、その後、第12ステージで無念のリタイアとなりました。

2002年、クレディ・アグリコールに移籍。同年のツール・ド・フランスに出場しましたが、レース中の事故により第15ステージでリタイアを余儀なくされました。

2003年には、ダンケルク4日間レースで総合優勝。同年のツール・ド・フランスでは3年ぶりの完走を果たし、総合8位と健闘しました。

2004年のツール・ド・フランスでは総合12位。

2005年のツール・ド・フランスでは、第9ステージで2位、第11ステージで3位に入賞しましたが、アルプス越えステージで苦戦し、結局総合11位に終わりました。この結果にクレディ・アグリコール側は不満を示し、モローは翌2006年、AG2R・プレヴォワイアンスへ移籍することになりました。

AG2Rへの移籍後、2006年のカタルーニャ一周では山岳賞を獲得。総合でも3位に入賞しました。また、ドーフィネ・リベレでも山岳賞を獲得。ツール・ド・フランスでは、フロイド・ランディスの大逃亡劇が繰り広げられた第17ステージで3位に入り、総合8位と3度目の総合トップ10入りを果たしました。

2007年は、モローにとって最高のシーズンとなりました。ドーフィネ・リベレで区間2勝を挙げ、2度目の総合優勝を飾った他、念願のフランス国内選手権個人ロードレースを制覇。個人タイムトライアルでも優勝し、初めてフランスチャンピオンの座に輝きました。しかし、好調な状態で迎えたツール・ド・フランスでは、第15ステージで事故に巻き込まれ、総合37位に終わりました。

2007年シーズン途中、チームの財政的な理由から、AG2Rを同シーズン限りで離れることを決意しました。

2008年、コンチネンタルプロチームであるアグリテュベルに移籍。

2010年には、ケス・デパーニュに移籍。同年7月12日、同シーズン限りで現役を引退する意向を示唆しました。

クリストフ・モローは、数々の困難を乗り越え、フランス自転車界にその名を刻んだ偉大な選手の一人です。

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