クリス・ヤング (投手)

クリス・ヤング：プリンストン大学卒の異才、球界のフロントへ

クリストファー・ライアン・ヤング（Christopher Ryan Young）は、1979年テキサス州ダラス出身の元プロ野球選手。投手として活躍し、現在はテキサス・レンジャーズのゼネラルマネージャー（GM）を務めています。名門プリンストン大学で政治学を専攻しながら、野球とバスケットボールで優れた才能を発揮した異色の経歴の持ち主です。

アマチュア時代からメジャーデビューまで

プリンストン大学では、アイビー・リーグにおいて新人王を獲得するなど、その身体能力の高さを証明しました。2000年のMLBドラフトでピッツバーグ・パイレーツから3巡目指名を受け、大学での勉学継続を条件に契約。大学では学業と野球を両立させ、多忙な日々を送りました。

2002年、モントリオール・エクスポズへ移籍。その後、2004年にテキサス・レンジャーズへトレードされ、同年メジャーデビューを果たします。レンジャーズでは、本拠地の不利な環境にもかかわらず、12勝を挙げ新人最多勝利数に並ぶ活躍を見せました。

パドレス時代：投手としての才能が開花

2006年、サンディエゴ・パドレスへ移籍。この年、ヤングの才能が開花します。5月にはノーヒットノーランまであと一歩という快投を見せ、9月にも8回1/3まで無安打に抑える好投を披露。シーズンを通しては、リーグ6位の防御率3.46、被打率.206という素晴らしい成績を記録しました。また、日米野球にも出場し、MLB公式ホームページにブログを寄稿するなど、積極的に活動しました。

2007年には4年1,450万ドルで契約を延長。しかし、同年にはデレク・リーへの死球がきっかけで乱闘騒ぎを起こし、出場停止処分を受けるなど、アクシデントもありました。オールスター前までは好調を維持していましたが、故障により戦線離脱。イチローにランニングホームランを浴びるなど、記憶に残る出来事もありました。

2008年は故障に苦しみ、不本意な成績に終わりましたが、9月にはメジャー初完投を達成。また、メジャー初本塁打も記録するなど、明るい話題もありました。

メッツ、マリナーズ、そしてロイヤルズへ

2011年、ニューヨーク・メッツと契約しますが、故障に苦しみ、わずか4試合の登板に終わります。その後、ナショナルズ傘下を経て、2014年にシアトル・マリナーズへ移籍。ここでは2年ぶりにメジャーで12勝を挙げ、カムバック賞を受賞しました。

2015年にはカンザスシティ・ロイヤルズへ移籍し、先発とリリーフの両方をこなす活躍を見せ、2年連続で2桁勝利を達成。しかし、2016年は不調に苦しみ、2017年に自由契約となりました。

引退後：レンジャーズのGMへ

2020年12月、クリス・ヤングはテキサス・レンジャーズのゼネラルマネージャーに就任。選手としてだけでなく、球団運営のトップとしても、その手腕を発揮することが期待されています。プリンストン大学で培った知識と、野球への深い愛情をもって、レンジャーズを強豪チームへと導くことができるでしょうか。

プレースタイル

長身から投げ下ろす角度のあるボールが特徴。速球とカーブ、チェンジアップを組み合わせたピッチングで打者を打ち取ります。制球力も高く、安定した投球が持ち味でした。

主な獲得タイトル・表彰

MLBオールスターゲーム選出：1回 (2007年)
ピッチャー・オブ・ザ・マンス：1回 (2006年6月)
カムバック賞：1回 (2014年)
プレイヤーズ・チョイス・アワーズ・カムバック賞：1回 (2014年)

もう一度検索