クリス・リード

クリス・リードの人物と経歴

クリス・リード（Chris Reed）は1989年7月7日、アメリカのミシガン州カラマズーで生まれました。彼の母親は日本人であり、クリスは出生時に日本とアメリカ両国の国籍を保有していました。特技にはトロンボーン演奏があり、姉のキャシー・リードもフルートを演奏する音楽一家です。日本のフィギュアスケート界で数々の功績を収め、平昌オリンピックにも出場しました。

経歴のスタート

クリスのアイスダンス競技は、姉のキャシーとのペアで始まりました。2005-2006シーズンには全米フィギュアスケート選手権ノービスクラスで優勝し、その才能が注目されます。コーチのニコライ・モロゾフの勧めで2006-2007シーズンから日本での競技生活が始まりました。移籍初年度の全日本選手権では2位に入り、翌年の四大陸選手権の出場権を獲得しました。

優勝とオリンピックへの道

クリスは2007-2008シーズンからISUグランプリシリーズに招待され、スケートアメリカやNHK杯に出場。2009年には世界選手権で16位となり、バンクーバーオリンピックの日本代表枠を確保しました。姉弟妹のトリオが揃ってオリンピックに出場することも話題になりました。2010-2011シーズンには全日本選手権での4連覇を成し遂げ、国際舞台でも着実に地位を確立していきます。

傷害と復帰

しかし、彼のキャリアには多くの試練がありました。2011-2012シーズンの初戦で負傷し、競技に出場し続けることが困難になりました。怪我からの復帰を果たし、2013-2014シーズンにはソチオリンピックの予選にも出場。このシーズンは苦労の多い年でありながらも、彼は強い意志で競技を続けました。

最後のシーズンと悲劇

2017-2018シーズンには、ネーベルホルン杯で2位に入り平昌オリンピック出場権を獲得。全日本選手権で3連覇を果たし、国際大会でも数々の成果を上げました。しかし、彼のキャリアは2020年に突然の悲劇に見舞われます。3月15日、心臓の突然死により30歳という若さでこの世を去りました。競技からの引退を発表した直後の出来事でした。

メモリアル基金の設立

その死去を受けて、彼の姉キャシーは新しい世代の選手を育成するためのメモリアル基金を立ち上げ、クリスを偲ぶ取り組みが続いています。また、遺族の承認を得て「クリス・リード杯」が2022年に開催されることが発表されるなど、彼の功績は今もなお多くの人々に愛されています。

クリス・リードは日本のアイスダンス界において特別な存在であり、その努力と業績は後世に受け継がれていくことでしょう。

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