クリフ・ヘイガン

クリフ・ヘイガン：不屈の精神で頂点を極めた名フォワード

クリフォード・オールドハム・ヘイガン（愛称クリフ・ヘイガン）は、1931年12月9日、ケンタッキー州オーエンズボロで生まれました。ケンタッキー大学では、名将アドルフ・ラップの指導の下、アレックス・グローザやフランク・ラムジーらと共にプレイし、1951年のNCAAトーナメントで優勝。しかし、1952年に八百長スキャンダルに巻き込まれ、出場停止処分を受けます。

大学時代の苦難と栄光

1953年のNBAドラフトでボストン・セルティックスから指名されますが、大学に戻り、1953-54シーズンには開幕戦で51得点を記録。チームを全米ランキング1位に導きます。大学通算成績は1,475得点1,035リバウンド。3シーズンでのチーム成績は86勝5敗と驚異的なものでした。ヘイガンの大学での活躍は目覚ましいものでしたが、八百長スキャンダルによる出場停止や、大学院生のトーナメント参加禁止など、数々の困難にも直面しました。

NBAでの輝かしいキャリア

2年間の兵役後、1956年にセントルイス・ホークスに入団。ルーキーイヤーこそ目立った活躍はなかったものの、プレーオフでは才能が開花。エースのボブ・ペティットに次ぐ活躍を見せ、ファイナル進出に貢献します。1957-58シーズンには、19.9得点10.1リバウンドを記録し、オールスターとオールNBA2ndチームに選出。チームもファイナルでセルティックスを破り、優勝を果たしました。ヘイガンはこの年のプレーオフで27.7得点を記録し、チームを牽引しました。

1958-59シーズンには24.8得点10.7リバウンド、1959-60シーズンにはキャリアハイとなる24.8得点10.7リバウンドを記録。ホークスはリーグ屈指の強豪として君臨し、1960年と1961年にもファイナルに進出しますが、いずれもセルティックスに敗れています。1964-65シーズン以降は、ゼルモ・ビーティやレニー・ウィルケンズらに主役の座を譲り、1965-66シーズンを最後にABAのダラス・チャパラルズに移籍しました。

ABAでの挑戦とコーチとしての手腕

チャパラルズでは選手兼ヘッドコーチとしてプレイ。1年目は18.2得点6.0リバウンドを記録し、コーチとしても46勝32敗の成績を残し、プレーオフでは地区決勝まで進出するなど成功を収めます。その後はコーチに専念し、1969-70シーズンを最後に現役を引退。NBA/ABA通算成績は13シーズン839試合出場、14,870得点5,555リバウンド、平均17.7得点6.6リバウンドでした。

引退後と功績

1972年に母校のケンタッキー大学に戻り、スポーツ部門の役職を歴任。1993年には、彼の功績を記念して野球場がクリフ・ヘイガン・スタジアムと改名されました。ヘイガンは193cmと長身ではありませんでしたが、ショート・フックショットを武器に得点を量産。クイックネスと屈強な肉体を兼ね備え、インサイドでも当たり負けしない選手でした。ホークス時代のペティット、ラブレットとのユニットは"アンタッチャブル"と呼ばれ、強力なフロントラインとして恐れられました。

1978年にはバスケットボール殿堂入りを果たし、その功績が讃えられました。

主な業績

NBAファイナル制覇：1958年
NBAオールスターゲーム出場：1958年－1961年
オールNBA2ndチーム：1958年－1959年
バスケットボール殿堂入り

クリフ・ヘイガンは、大学時代の苦難を乗り越え、NBAで輝かしい実績を残した不屈の精神を持つ名選手でした。彼の功績は、バスケットボール史に永遠に刻まれるでしょう。

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