クリミア人民共和国

クリミア人民共和国は、1917年12月から1918年1月にかけて、現在のウクライナ南部、クリミア半島に存在した短命な国家です。

この共和国は、クリミア・タタール語で「Qırım Halq Cumhuriyeti」、ロシア語で「Крымская Народная Республика」、ウクライナ語で「Кримська Народна Республіка」と表記され、クリミア・[[タタール人]]の民族組織であるクリルタイによって主導されました。

クリミア人民共和国は、ロシア革命後の混乱期に、ムスリム世界における民主的で世俗的な国家建設を目指し、アゼルバイジャン民主共和国と同様の理念を掲げていました。ロシア帝国の崩壊に伴い、各地で多くの新しい国家が誕生しましたが、クリミア人民共和国もその一つでした。

クリルタイは、クリミア半島の全ての民族の平等を要求し、民族構成ではロシア人が多数（42%）を占めていましたが、クリミア・[[タタール人]]はタタール化によって政治的・文化的に有力な勢力を持っていました。クリミア人民共和国の初代大統領には、ノーマン・チェレビジハンが就任しました。

クリミア・[[タタール人]]はボルシェビキに対抗するため、クリミア・タタール基本法を発布し、全クリミア憲法会議の招集、理事委員会による臨時政府の設立、国家代表評議会による臨時議会の運営などを計画しました。しかし、新国家の建設の試みは、ボルシェビキとアナーキストが支配する黒海艦隊によってすぐに頓挫させられました。

1918年初頭、ドイツ帝国とウクライナ人民共和国の軍がこの地域に侵攻する前に、ボルシェビキはクリミアを占領し、タヴリダ・ソビエト社会主義共和国を樹立しました。その後、1921年には、ソビエト連邦のロシア・ソビエト連邦社会主義共和国の一部として、クリミア自治ソビエト社会主義共和国が成立しました。

クリミア人民共和国の国歌は、クリミア・タタール語で「Ant etkenmen」（私は誓う）です。

関連事項
クリミア半島
タタール

クリミア人民共和国は短命に終わったものの、クリミア・[[タタール人]]の自治と民族意識の歴史において重要な役割を果たした国家と言えるでしょう。

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