クリルタイ

クリルタイとは

クリルタイ（モンゴル語：ᠻᠦᠷᠦᠯᠳᠠᠶ）は、モンゴルにおいて中世から近世にかけて行われた最高意思決定機関です。これは、モンゴルの強力な部族の首長や有力者が集まり、国の重要な意思決定を行うための会議です。カアン、つまりモンゴル皇帝の命により召集され、主に皇帝の選定、戦争の計画、法令の制定などが議題にされました。

この集会は、モンゴル草原の広い地域で開催されており、その名称は「血縁者の集まり」を意味する中世モンゴル語の「qurilta」に由来しています。具体的には、「集まる」という意味の語幹quri-に、名詞形を作る接尾辞-ltaが付加された形であり、単に「集まり」というよりは、特に血縁関係のある者たちの集まりを指しています。

開催条件と特徴

クリルタイは春や夏に多く、選ばれる開催地は水源や牧草地が豊かであることが求められました。通常、皇帝の任期中に2～3回開催され、長期にわたる祝宴「トイ」が附属することが多いです。クールタイの重要な役割には、次のようなものがあります。第一に皇帝候補者の選定と即位、第二に外国への遠征計画、第三に新たな法令の制定です。

クリルタイの中でも特に重要なのは「大クリルタイ」と呼ばれるもので、これは盛大な集会を指し、ペルシア語で「Qūrīltāī-yi Buzurg」と表現されます。その他の小規模集会は「ジェルゲ」と称され、この用語もまたクリルタイの文脈において特別な意味を持ちます。

著名なクリルタイ

歴史的には、クリルタイは多くの重要な瞬間と結びついています。例えば、1206年の初春、チンギス・カンがモンゴル高原をほぼ統一し、彼の称号が決まったクリルタイがオノン川河源で行われました。さらに、1226年8月にはオゴデイがチンギス・カンの後を引き継いで即位した会議がケルレン川近くで行われました。1246年8月には、ドレゲネ皇后の招請によってグユクの即位が行われ、その場において法令制定などが議題として討議されました。

また、1251年にはバトゥの主導によりモンケが即位するクリルタイが開催され、1260年にはクビライが自派のみで即位しました。このように、クリルタイはモンゴルの歴史における重要な政治会議であったことが分かります。

現代における影響

現代でもクリルタイという言葉は息づいています。2020年には、キルギスにおいて反政府運動を通じてサディル・ジャパロフが実権を握り、民族や宗教、地方からの代表が集まる国民会議としてのクルルタイの創設活動を行っています。このように、クリルタイは歴史的遺産として現代においても重要な役割を果たしています。

また、アフガニスタンの国会に相当するロヤ・ジルガの「ジルガ」という用語も、モンゴル語の「ジェルゲ」に由来していることが知られています。これは、クリルタイの影響が今なお国際的に続いていることを示しています。

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