クルロタルシ類

クルロタルシ類について

概要

クルロタルシ類（Crurotarsi）は、主竜形類に属する爬虫類の一群であり、現代のワニとその祖先に関連しています。このグループに関する定義は複数存在し、主に主竜類の亜区に位置づける説と、植竜類および主竜類の2つの群を包括する説が提唱されています。

命名の由来

「クルロタルシ」という名称は、ラテン語の「crus」（下腿）とギリシャ語の「tarsos」（足首）に由来しています。これは、下腿（特に腓骨）と足首（特に踵骨）間に存在する特異な関節の特徴を示しています。この関節は、特に植竜類やワニ類などの爬虫類に見られます。

クトルタルシ類の足首の関節では、踵骨の半円柱形顆が腓骨と関節します。これにより、足部が底背屈する動きが可能となり、特に鳥中足骨類との比較でこの関節の特異性が際立ちます。

分類の歴史

クルロタルシ類という名前は、1990年にSerenoとArcucciによって節ベースの分岐群として命名され、古くから用いられていた偽鰐類に取って代わる形となりましたが、その定義は異なりました。より広く受け入れられている定義では、クルロタルシ類には現生ワニ、オルニトスクス科、鷲竜類、そして植竜類の共通祖先とそこから派生した全ての子孫が含まれます。

Nesbitt（2011）はクルロタルシ類を「Rutiodon carolinensisとCrocodylus niloticusを含む、最も包括性の低い分岐群」と定義しました。彼らの研究によれば、植竜類が基盤的な系統にある可能性が指摘されており、これがクルロタルシ類の定義に影響を与えています。

クルロタルシ類が広く用いられている定義を守ると、植竜類とワニが同じ系統に含まれ、鳥中足骨類が除外されることで、この分類群が側系統群となることになります。伝統的な偽鰐類は、鳥類よりもワニに近い全ての主竜類を含むため、より明確な分類群として位置づけられています。

系統関係

SerenoとArcucciは、クルロタルシ類を「Parasuchia（植竜類）、オルニトスクス科、プレストスクス、型群Suchia及びそれらの共通祖先の全ての子孫」と定義しました。クルロタルシ類が設立される前にも、ワニ系統の主竜類に関する命名がありました。1つは1985年に設立された偽鰐類（Pseudosuchia）であり、これはワニおよび鳥類よりもワニに近い全ての主竜類を含んでいました。もう1つは1988年に命名されたCrocodylotarsiで、偽鰐類の代替名として考えられていました。

ただし、偽鰐類という名称は100年以上の歴史があり、分岐群として真のワニを内包するため、依然として先行していました。Crocodylotarsiは混乱を解消する可能性を秘めていましたが、結局偽鰐類と同義とされました。

しかし、Nesbitt（2011）の研究では、彼は植竜類を主竜類の姉妹群とし、ワニ系統の主竜類から除外しました。これによりクルロタルシ類の範囲が広がり、植竜類、ワニ、翼竜、恐竜がこの分類に含まれることになりました。しかし、偽鰐類は引き続きワニ系統の主竜類として位置づけられます。

結論

クルロタルシ類の研究は、爬虫類の進化やその系統の理解をより深めるための重要な鍵であり、ワニをはじめとする他の現生爬虫類との関連性を明らかにする手助けとなります。今後の研究により、この興味深いグループの多様性が更に解明されることが期待されます。

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