クレア (曲)

「クレア」（Clair）は、アイルランド出身のシンガーソングライター、ギルバート・オサリバンによって書かれ、歌われた珠玉の楽曲です。

この曲は、1972年にオサリバン自身の作詞・作曲により誕生し、彼のプロデューサー兼マネージャーであったゴードン・ミルズ氏によってプロデュースされました。同年には、彼のセカンドアルバム『バック・トゥ・フロント』（Back to Front）にも収録されています。

シングルとしてリリースされるやいなや、世界中で大きな成功を収めました。特にイギリスでは、1972年11月に全英シングルチャートで2週連続の第1位を獲得し、オサリバンにとって英国での代表曲の一つとなりました。アメリカでも、Billboard Hot 100チャートで最高2位を記録するなど、大ヒットとなりました。また、アメリカのイージー・リスニング・シングルチャートでは、彼の以前のヒット曲「アローン・アゲイン」（Alone Again (Naturally)）に続き、2位を獲得。そして、この「クレア」が同チャートにおける彼にとって最後のナンバーワンヒットとなりました。

この心温まる楽曲の主題は、オサリバン自身がおじとして、彼の幼い姪に対して抱く深い親愛の情を描いたものです。歌詞に登場する「クレア」という名は架空ではなく、楽曲のプロデューサーであるゴードン・ミルズ氏の幼い娘、実在のクレアさんがモデルとなっています。楽曲のエンディングには、モデルとなったその小さな少女の、無邪気で可愛らしいケラケラとした笑い声が収められており、聴く者に深い印象を与えます。

楽曲は発表から時を経ても愛され続けており、1997年に公開されたアメリカのファミリー映画『Air Bud』（エア・バディ）で使用されました。また、日本国内では、トヨタ自動車の「ビスタ」のコマーシャルソングとして採用され、多くの人々に知られるきっかけともなりました。

「クレア」は世界各国のアーティストによってカバーされています。

イタリアでは、1973年にクルーナーとして知られるジョニー・ドレッリがイタリア語でカバーしました。
アメリカのヴォーカルグループ、シンガーズ・アンリミテッドによるカバーバージョンは、プロデューサーのJ・ディラによってサンプリングされ、ヒップホップグループのスラム・ヴィレッジの楽曲『Players』に使用されています。
日本でも、1996年に歌手の松本ともこ氏が、自身のシングル「CHEER FOR YOU 〜君を信じてる〜」のカップリング曲として日本語でカバーを発表しています。
シンガーソングライターの来生たかお氏もライブでこの曲をカバーしており、さらに1995年6月23日放送の日本テレビ製作の音楽番組「FAN」では、来生氏がギルバート・オサリバン本人と共演し、「クレア」を披露するという特別な機会もありました。

余談ですが、1990年代に日本で活動していた女性3人組アイドルグループ「Qlair」のグループ名は、このギルバート・オサリバンの楽曲「クレア」に由来しています。

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