ギルバート・オサリバン

ギルバート・オサリバン

ギルバート・オサリバン（本名：レイモンド・エドワード・オサリバン）は、1946年12月1日生まれのアイルランド出身のシンガーソングライターです。彼の名前は、劇作家ウィリアム・S・ギルバートと作曲家アーサー・サリヴァンを組み合わせたものに由来しています。彼の音楽キャリアは非常に成功したものであり、特に「アローン・アゲイン（Alone Again - Naturally）」や「クレア（Clair）」といった代表曲は、今でも広く愛されています。彼はアイルランドで生まれましたが、成長したのはイギリスです。

経歴

大学在学中に音楽活動を開始し、1960年代中頃には自作のデモテープを音楽出版社に売り込んでいたオサリバンは、1967年にCBSからシングル『Disappear』でデビューを果たしました。1969年には、著名なマネージャーであるゴードン・ミルズが主宰するMAMレコードと契約し、その後1970年に発売したシングル『ナッシング・ライムド』は、全英シングルチャートで最高8位を記録しました。そのアルバム『ヒムセルフ〜ギルバート・オサリバンの肖像』も高評価を受け、86週もの間全英チャートにランクインするロングセラーとなり、オサリバンは一気にスターダムへの階段を駆け上がりました。

特に1972年は彼にとって重要な年で、シングル『アローン・アゲイン』が世界的な大ヒットを記録しました。この曲はアメリカで6週連続1位を獲得し、ビルボード年間シングルチャートでは2位にランクイン。彼のアルバム『バック・トゥ・フロント』も全英チャートで1位を獲得し、その後も「ゲット・ダウン」や「クレア」などのヒット曲が続くなど、1970年代前半のポップ・ミュージック界で重要な存在となりました。

また、彼は1973年のアイヴァー・ノヴェロ賞で最優秀ソングライター賞を受賞しましたが、1975年以降はゴードン・ミルズとのトラブルによりヒットから遠のいてしまいます。しかし、1980年に発表した「そよ風にキッス」は再び全英トップ20に入るヒットとなりました。

オサリバンとミルズは、最初は家族ぐるみの親しい関係でしたが、音楽の方向性やロイヤリティーの分配を巡り関係が悪化。最終的にはオサリバンがミルズを訴えた事態に発展し、1984年に勝訴しましたが、その間に彼の音楽活動は停滞し、人気も減退してしまいました。彼は1985年からジャージー島に移り、静かに暮らしながらも音楽創作を続けました。

1990年代からオサリバンは音楽シーンに復帰し、彼の生涯をテーマにしたミュージカルのスコアを書くなどの新たな創作活動を続けています。また、日本でも多くのファンを持ち、来生たかおや久保田利伸とのデュエットも行うなど、日本の音楽界との関係性も深まっています。1993年には日本で唯一のライブ盤を発表し、2005年には初のライブDVDもリリース。テレビドラマや映画の歌も手掛け、その際には彼の管理するレコード会社から新しいベスト盤が発売されています。

エピソード

音楽教育を受けていないオサリバンは楽譜を読むことができず、作曲やピアノを独学で学びました。そのため、彼の音楽には独自の特徴があり、打楽器的なタッチが印象的です。彼の影響は多くの後進のアーティストに見られ、その中にはビリー・ジョエルや来生たかおなども参加しています。

ギルバート・オサリバンは、今でも多くの人々に愛されるアーティストであり、その音楽は世代を超えて楽しとされ続けることでしょう。

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