クレイジー・ダイアモンド

クレイジー・ダイアモンド (Shine On You Crazy Diamond)

ピンク・フロイドが1975年に発表したアルバム『炎〜あなたがここにいてほしい』の冒頭と最後に収録された大作「クレイジー・ダイアモンド」。初期メンバー、シド・バレットへの追悼歌として知られ、バンドの代表曲の一つとして、今もなお多くのファンを魅了し続けています。

楽曲構成

この曲は9つのパートから構成されており、アルバムではPart 1〜5が冒頭に、Part 6〜9が最後に収録されています。各パートはそれぞれ異なるメロディーと展開を持ち、全体を通して一つの壮大な組曲として完成されています。

Part1（作曲：Wright, Waters, Gilmour)
Part2（作曲：Gilmour, Waters, Wright) 2分9秒〜
Part3（作曲：Waters, Gilmour, Wright) 3分54秒〜
Part4（作曲：Gilmour, Wright, Waters) 6分27秒〜
Part5（作曲：Waters) 8分42秒〜
Part6（作曲：Wright, Waters, Gilmour)
Part7（作曲：Waters, Gilmour, Wright) 4分55秒〜
Part8（作曲：Gilmour, Waters, Wright) 6分24秒〜
Part9（作曲：Wright） 9分30秒〜

ロジャー・ウォーターズがボーカルを務めるPart 5とPart 7は、叙情的な歌詞と力強い歌声が印象的です。特に、シド・バレットの狂気と才能、そして失われた日々への哀愁が込められた歌詞は、聴く者の心を深く揺さぶります。

シド・バレットへの想い

作詞を担当したロジャー・ウォーターズは、当初シド・バレットについて書いたことを認めていましたが、後にそれを否定しています。しかし、歌詞の内容や曲の雰囲気から、多くのファンはシドへの追悼歌であると解釈しています。

演奏

デヴィッド・ギルモアによる印象的なギターフレーズが曲の核となり、リチャード・ライトのキーボード、ニック・メイスンのドラムが重厚なサウンドを支えています。また、ディック・パリーによるサックスソロも、曲に深みと奥行きを与えています。

ライブでの演奏

1974年6月のフランス公演で初披露された際は、「Shine on」というタイトルで、全パートを繋げた20分近い大作として演奏されました。その後、アルバムの構成に近い形で分割して演奏されるようになります。1987年以降のギルモア主導のフロイドのコンサートでは、第1部のみが演奏されています。一方、ウォーターズのソロ・コンサートでは、ライトが作曲したPart 9が演奏されないことがあります。

参加ミュージシャン

ロジャー・ウォーターズ - ベース、ボーカル、ギター（パート8の一部のみ）
デヴィッド・ギルモア - ギター、ボーカル、スライドギター（パート6）、シンセサイザー
リチャード・ライト - オルガン、ピアノ、シンセサイザー、ボーカル
ニック・メイスン - ドラムス、パーカッション
ディック・パリー - サックス
カーリーナ・ウィリアムス - コーラス
ヴェネッタ・フィールズ - コーラス

「クレイジー・ダイアモンド」は、ピンク・フロイドの音楽性を象徴するだけでなく、シド・バレットへの深い愛情と哀悼の意が込められた、時代を超えて愛される名曲です。

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