クレサラ問題とは？意味をやさしく解説

クレサラ問題とは

クレサラ問題とは、クレジット会社や消費者金融（サラ金）などが関わる多重債務、過酷な取り立て、高金利、違法業者の存在、そして過払い金の返還などをめぐる様々な問題の総称です。この問題は、個人の経済状況を著しく悪化させ、時には生活破綻や深刻な健康問題にまで発展する深刻な社会問題です。

クレサラ問題の歴史

1980年代頃、消費者金融業者の過酷な取り立てが社会問題化し、多くの人々が退職や家庭崩壊に追い込まれました。最悪の場合、命に関わる事態も発生し、全国各地で被害者団体が設立され、サラ金規制を求める声が高まりました。この問題への対策は、多重債務に苦しむ人々を救済するという観点から発展しました。

1983年には貸金業規制法が制定されましたが、高金利、過剰融資、過酷な取り立てといった根本的な問題は解決されませんでした。その後、2003年にヤミ金融対策法として貸金業規制法と出資法が改正され、登録業者・無登録業者を問わず規制対象とすることが明確化されました。また、禁止される取り立て行為も具体的に定められました。

2006年には貸金業法に名称が変更され、貸付金額の総量規制やグレーゾーン金利の撤廃が行われました。これにより、過払い金返還請求が活発化し、救済よりも債権回収の観点が強まることとなりました。

問題のある消費者金融の類型

歴史的に、消費者金融業者の貸付には以下のような問題行為が確認されています。

押し貸し：業者側が勝手に口座に入金し、その後、高金利での返済を要求する行為。法的には金銭貸借契約が成立しておらず、返済義務はありません。
年金担保金融：年金証書や通帳を担保に貸付を行う行為。2004年以降は法律で禁止されています。年金受給権そのものを担保とすることも原則禁止です。
空貸し：実際には金を貸していないにもかかわらず、返済を要求する行為。架空請求詐欺の一種です。
チケット金融：換金性の高い金券を後払いで販売し、実質的な高金利貸付を行う行為です。
システム金融：複数の業者が連携し、小切手や手形を担保に高金利貸付を行い、多重債務を拡大させる行為です。
家具リース金融：生活必需品を買い取ったとして、リース料を請求する行為。実質的には担保であり、リース料は利息に相当します。
パンスト金融：物品販売の業務委託を装い、高額な手数料を請求する行為。商品自体が高額に設定されています。
ひととき融資：高金利で貸付を行う代わりに性行為を求める行為。SNSなどを介して行われることもあります。

二次被害

クレサラ問題の解決を謳う業者の中には、さらに被害を拡大させる悪質な業者も存在します。

紹介屋：多重債務者に融資先を紹介すると称して、法外な手数料を請求する業者です。
買取屋：クレジットカードで購入した物品を安く買い取り、現金を交付する業者。クレジット詐欺に関与させられる場合もあります。
整理屋：高額な手数料で債務整理を行うと称する業者。無資格での債務整理は違法行為です。

関連判例

クレサラ問題に関する裁判例では、以下のような点が問題視されています。

高金利貸付における元本を含めた返済義務の不存在
リース契約を名目とした違法な金利の請求
みなし弁済規定の厳格な適用
事実上の強制によるみなし弁済の無効
手形訴訟制度の濫用

クレサラ問題の現状

法改正や社会的な取り組みにより、クレサラ問題はかつてに比べると改善されてきていますが、依然として多くの人々が多重債務や悪質な金融業者の被害に苦しんでいます。問題解決のためには、個々の消費者が金融に関する知識を身につけ、安易な借入に頼らないことが重要です。また、困った際には専門機関への相談も有効です。

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