クレッシー級装甲巡洋艦

クレッシー級装甲巡洋艦

クレッシー級装甲巡洋艦は、イギリス海軍が1901年から1904年にかけて建造した6隻からなる巡洋艦艦級です。この艦級は、第一次世界大戦において、特にその運用が潜水艦の危険性を知らしめる重要な役割を果たしました。特に1914年9月22日、北海での戦闘では、「アブーキア」、「クレッシー」、「ホーグ」の3隻がドイツの潜水艦「U9」に沈められました。この出来事は、潜水艦が現代海戦において如何に重要な兵器であるかを示しました。

艦形についての特徴

クレッシー級の艦形は、未だに帆船時代の優雅さを保っており、特にそのデザインはイギリスらしい気品を感じさせます。船体は長船首楼型を採用し、艦首には新型の「1897年型23.4cm（40口径）砲」を搭載した単装砲塔が配されています。また、司令塔を組み込んだ操舵艦橋や、四本の煙突が特徴的です。後檣基部には艦載艇を水面に降ろすためのジブ・クレーンも設置されています。艦尾には艦名を示すスタン・ウォークが設置されており、旧式の艦船の名残を留めています。

主砲タワーの配置

主砲は「パワフル」級から受け継がれた「1897年型Mark Ⅷ 23.4cm（40口径）砲」で、単装砲塔形式で配置されています。この砲は高い威力を誇り、艦船の防御力に対する強力な対抗手段となりました。

副砲やその他の武装

副砲として、「1901年型 Mark Ⅶ 15.2cm（45口径）砲」を採用しています。これらの副砲は、舷側に開いた舷門から発射されていました。また、前後艦橋の横に上下2基ずつの計8門、及び第二甲板中央部に等間隔に配置された計4門の副砲が搭載されています。合計で12門の副砲が設置されましたが、下段の砲が海面に近すぎるため、波浪によって操作が難しいという問題がありました。

加えて、対水雷艇用に「1886 7.6cm（40口径）砲」を14門、さらに45cm水中魚雷発射管を2基装備しています。

艦体の特性

クレッシー級の船体は、長さと幅の比率が6.3と、巡洋艦としては比較的幅広ですが、船首楼周辺が細身であり、荒天時には激しい縦揺れを引き起こすことがありました。また、副砲に関しては、配置が低すぎたため、時折波を受けて射撃操作が困難になることがありました。

防御装甲

クレッシー級は、舷側防御として152mmの装甲を張り、その前後には51mmの装甲が施される重装甲艦とされていました。しかし、当時は水中からの攻撃に対する考慮が不十分であり、結果として「クレッシー」は魚雷2発の命中によって僅か15分で沈没しました。

同型艦の一覧

同型艦としては、以下の艦が存在します：

• - アブーキア (HMS Aboukir)
• - バッカント (HMS Bacchante)
• - クレッシー (HMS Cressy)
• - ユーライアス (HMS Euryalus)
• - ホーグ (HMS Hogue)
• - サトレッジ (HMS Sutlej)

参考文献

本艦に関する詳細は「世界の艦船増刊第46集　イギリス巡洋艦史」（海人社）を参照してください。また、イギリス海軍艦艇の一覧にも本艦が含まれています。

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