クレマティス (小惑星)

クレマティス（1101 Clematis）は、小惑星帯に存在する小惑星です。1928年9月22日に、ドイツの天文学者カール・ラインムートによってハイデルベルクで発見されました。発見当初は「1928 SJ」という仮符号で呼ばれていましたが、後にキンポウゲ科のクレマチス属（Clematis）にちなんで命名されました。

2003年には、アメリカ・カリフォルニア州ランチョクカモンガにあるサンタナ天文台で、クレマティスの測光観測が行われました。その結果、この小惑星の自転周期は12.68 ± 0.01時間であることが判明しました。また、光度曲線分析により、0.40 ± 0.05等級の光度変化があることも確認されました。これは、クレマティスが自転する際に、その形状や表面の反射率の違いによって明るさが変化することを示唆しています。

クレマティスは、スペクトルの特徴と軌道要素が類似している、5個から16個の小惑星からなる小惑星族の名前にもなっています。この小惑星族に属する全ての天体は、比較的高い軌道傾斜角を持っているという共通の特徴があります。これらの小惑星は、過去に起こった同一の衝突によって生成されたと考えられています。クレマティスは、この族の中で最初に発見されたため、その名前が族の名前として用いられることになりました。この小惑星族の研究は、小惑星帯の形成過程や、過去の衝突イベントを理解する上で重要な手がかりとなります。

クレマティスは、小惑星帯の中で比較的大きなサイズを持つ小惑星の一つであり、その観測データは、小惑星の物理的特性や、小惑星族の成り立ちを研究する上で貴重な資料となっています。今後も、さらなる観測や分析によって、クレマティスやその小惑星族に関する新たな発見が期待されます。

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出典
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