クレムソン (駆逐艦)

クレムソン (USS Clemson, DD-186/AVP-17/AVD-4/DD-186/APD-31)

クレムソンはアメリカ海軍の駆逐艦であり、クレムソン級の最初の艦となる重要な艦船です。その名は1846年の米墨戦争中の沈没事故で命を落とした少尉候補生、ヘンリー・A・クレムソンに由来しています。艦船の歴史に残るその役割と活躍を振り返ります。

艦歴

クレムソンは1918年5月11日、バージニア州ニューポートニューズの造船所で起工し、9月5日に進水しました。そして1919年12月29日に就役し、初代艦長の指揮下で任務に就きました。最初の任務は東海岸及びキューバ周辺での巡航であり、艦船としての重要な経験を積む時期となりました。

1930年6月には予備役としてノーフォーク海軍造船所で係留されることとなり、その後幾度かの係留を経て1922年には退役しました。しかし、その歴史はそこで終わることはありませんでした。1939年11月には小型水上機母艦（艦種AVP-17）に改修され、1940年7月には再就役を果たしました。この艦は1941年までカリブ海やガラパゴス諸島での哨戒任務に従事し、南米沿岸にも足を運びました。

1943年には再び駆逐艦（DD-186）として艦種変更され、護衛空母ボーグを中心とした対潜水艦攻撃部隊に参加しました。この任務では8隻のドイツの潜水艦撃沈に寄与し、戦功を上げることになります。また、1944年初頭にニューヨークでオーバーホールをした後、カサブランカでの船団護衛任務に従事しました。

さらなる艦種変更が行われ、1944年3月にはマンリー級の高速輸送艦（APD-31）に改装されました。駆逐艦時代に得た経験を元に、クレムソンは異なる任務に移行し、母艦として多くの海域での行動が求められました。5月には真珠湾に到着し、西方水中破壊部隊の支援を行い、サイパンやグアムでの活動が続きました。

クレムソンは1945年にリンガエン湾で日本軍の攻撃を受けるという重大な任務も果たしました。その後、沖縄やウルシー環礁での護衛任務に従事し、戦争の終結を迎えました。最終的に1945年10月12日に退役し、その翌年には売却されました。

クレムソンは第二次世界大戦中に9個の従軍星章を受賞するなど、多くの功績を残し、今なおその足跡は海軍の歴史に刻まれています。本艦の活躍は、艦船の改造や艦種変更の重要性を示すとともに、当時の海軍における駆逐艦の役割を象徴するものでした。

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