クレムフカ

クレムフカとナポレオンカ：ポーランドのクリームパイ

クレムフカ（kremówka）またはナポレオンカ（napoleonka）は、ポーランドで愛される伝統的なクリームパイの一種です。2枚のサクサクとしたパイ生地の間に、ホイップクリーム、バタークリーム、バニラカスタードクリーム、またはメレンゲなどのフィリングをたっぷりと挟み、仕上げに粉砂糖を振りかけるのが一般的なスタイルです。お店によっては、クリームやアイシングで美しくデコレーションされていることもあります。

このお菓子は、フランス発祥のミルフィーユの一種としても知られています。ミルフィーユとの違いは、クリームの種類や、パイ生地の厚さなど、お店によってバリエーションが豊富な点でしょう。クレムフカという名前は「クリームパイ」を意味し、ナポレオンカという名前は、ミルフィーユの一種である「ナポレオンパイ」に由来しています。

名称を巡る風刺

ポーランドでは、クレムフカとナポレオンカという2つの名前が混在しており、お店によってどちらの名称を使うかが異なります。このため、新しいお店のオープンによって、どちらの名称がより一般的に使われるかが変化し、まるで名称をめぐる勢力争いのようだと、風刺的に語られることもあります。

ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世との逸話

クレムフカには、時折アルコール入りのバージョンも販売されることがあります。また、ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世がアルコール入りのクレムフカを好んだという噂が広まり、人気を博したという逸話も存在します。しかし、実際には教皇が好んでいたのは伝統的なクレムフカの方だったという説が有力です。この逸話が、クレムフカというお菓子をさらに魅力的なものにしているのかもしれません。

関連するお菓子

クレムフカは、世界中で愛されるミルフィーユの一種として、様々な国で似たようなお菓子が存在します。

クレムシュニテ：スロベニアやクロアチアなどで食べられるクリームケーキ。クレムフカとよく似た見た目をしています。
トンプース：オランダで人気のケーキ。長方形のパイ生地にクリームを挟んだ、クレムフカと似たお菓子です。


クレムフカは、ポーランドを代表するお菓子として、地元の人々だけでなく、観光客にも愛されています。そのシンプルながらも奥深い味わいは、一度食べたら忘れられないでしょう。

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