クレヨン王国

クレヨン王国

『クレヨン王国』は、福永令三による児童文学作品シリーズ。1964年に第1作が講談社児童文学新人賞を受賞して以来、長年にわたり多くの読者に愛されてきました。

概要

本作は、色彩豊かな自然を背景にしたファンタジー作品であり、異世界であるクレヨン王国を舞台に物語が展開されます。作中には動植物の描写や詩歌が豊富に登場し、独特の世界観を形作っています。

クレヨン王国は、ゴールデン国王とシルバー王妃が治める国で、12色のクレヨン大臣がそれぞれの色で12か月を管理しています。和洋折衷の世界観が特徴で、総理大臣はカメレオンであり、ブタのストンストン、オンドリのアラエッサ、花ウサギのロペ、サード王子など、個性的なキャラクターが登場します。

物語の主なパターンは以下の3種類です。

一般の少年少女がクレヨン王国に関わり成長する物語（王国へ行く、または王国からの来訪者に出会う）
クレヨン王国の住人たちが様々な冒険に巻き込まれる物語
寓話や童話が綴られる短編集

一部作品には、著者の福永令三が経験した太平洋戦争の時代をモデルとした戦争の描写や、「露営の歌」などの軍歌が登場することもあります。

作品展開

シリーズ第1作『クレヨン王国の十二か月』は、講談社児童文学新人賞受賞後、修正を経て出版されました。その後、講談社文庫や青い鳥文庫に収録され、特に青い鳥文庫版は続編が次々と出版されるほどの人気を博し、シリーズ累計500万部を超えるベストセラーとなりました。

1997年から1999年にかけては、『夢のクレヨン王国』としてテレビアニメ化され、幅広い世代に親しまれました。NHK教育テレビの「てれび絵本」でも朗読版が放送されています。

2006年には、未収録部分を追加した新装版『クレヨン王国の十二か月』が講談社文庫から発行。2011年には、椎名優の挿絵を加えた新装版シリーズが青い鳥文庫から刊行されました。

主な登場人物

ゴールデン国王: クレヨン王国の国王。心優しい性格ですが、『十二か月』では王妃の悪癖に耐えかねて逃げ出す場面も。シリーズを通して複数世代の国王が登場します。
シルバー王妃: 本名シルバー=マーガレット=ミカエル。美しい銀髪の持ち主ですが、多くの悪癖を持つため、問題を起こすこともあります。アニメ版では「シルバー王女」が主人公で、王妃の名前は「オパール王妃」となっています。
カメレオン総理: クレヨン王国の総理大臣。長年にわたり総理を務める有能な人物。幼名はジンジャー。
アラエッサ: ニワトリ。「月のたまご」救出隊に参加し、後にストンストンと共に爵位を授けられます。
ストンストン: ブタ。「月のたまご」救出隊に参加し、爵位授与後はストンス伯となります。口癖は「おなかへったなぁ」。
ロペ: 著者が飼っていたウサギがモデル。アニメ版には登場しません。
大臣: カメレオン総理の下で、「色」に関するものを管理する役職者たち。クレヨン型の帽子を被っています。シリーズが進むにつれて人数が増え、個性的な大臣が登場します。

主な作品タイトル

クレヨン王国の十二か月
クレヨン王国の花ウサギ
クレヨン王国月のたまご
クレヨン王国新十二カ月の旅
クレヨン王国シルバー王妃花の旅
クレヨン王国12妖怪の結婚式

など、多数の作品が存在します。

関連情報

* 青い鳥文庫｜クレヨン王国

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