クレージーの無責任清水港

クレージーの無責任清水港

概要

「クレージーの無責任清水港」は、1966年に公開されたクレージーキャッツ主演の映画で、シリーズ第3作にあたります。この作品は「無責任」をテーマにした最後のクレージー映画となり、同時上映には『社長行状記』がありました。本作のタイトルは予告編やポスターには「クレージーの無責任清水港」とされていますが、本編では「無責任清水港」との表記になっています。

ストーリー

物語は、追分の三五郎が、金を使い果たして空腹に苦しむところから始まります。彼は、ある飯屋で無銭飲食を行ったために牢屋に入れられ、そこで清水次郎長の子分、森の石松と出会います。二人は意気投合し、心を通わせます。しかし、三五郎は牢屋暮らしが気に入ってしまい、釈放を拒否。夜な夜な抜け出して街に繰り出し、飲み食いをする日々を続けます。

しかし、この行動が原因でお上の信用が落ち、ついには牢から叩き出されてしまうことに。再び再会した石松の家に着くと、三五郎はやがて次郎長一家と敵対する鷹岡の勘介一家との抗争に巻き込まれていくのです。

製作のエピソード

この作品の監督である坪島孝は、撮影準備を進める中で脚本を突然手渡されました。その脚本は、三五郎と石松が出会う牢屋の場面の途中までしか書かれていない、非常に限られたものでした。また、クレージーキャッツのスケジュールがタイトで、撮影にはわずか20日間しか割けないという状況下での製作でした。

撮影が進む中で、脚本が完成せず、当日の朝にその日撮影するシーンの脚本が届くといった事態も発生。撮影終了の一週間前にやっと全体の脚本が届きましたが、驚くべきことに、クレージーキャッツの一員である犬塚弘が演じる役が存在しないことが発覚しました。衣装の準備もないまま、あわてて代役を用意しなければならなかったのです。

最終的に、正式なタイトルを把握しないまま撮影は進められ、作品は『無責任清水港』というタイトルで完成しました。試写会の際には『クレージーの』という部分が抜けていることに、スタッフ全員が初めて気づくというハプニングもありました。

キャスト

この映画には、植木等が追分の三五郎役、谷啓が森の石松役として出演しています。その他、ハナ肇（清水次郎長）、団令子（お蝶）、浜美枝（お雪）など、豪華なキャスト陣が揃っています。

音楽

挿入歌には、民謡『小諸馬子唄～ちゃっきり節』や、作詞・作曲を手掛けた楽曲が使用されています。特に、「遺憾に存じます」という曲は、映画の内容に合わせた替え唄となっており、印象深いシーンの一部となっています。

関連作品

本作の続編として『クレージーの殴り込み清水港』があり、異なる要素が楽しみな作品です。また、「クレージーの無責任清水港」は、その後も多くのファンに支持され続けています。

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