クレージーメキシコ大作戦

クレージーメキシコ大作戦

『クレージーメキシコ大作戦』は、1968年4月27日に公開された日本の喜劇映画です。本作は、映画スター植木等が主演を務め、米国やオリンピックが開催されたメキシコでのロケを行ったことで、話題を集めました。上映時間は162分と、東宝クレージー映画の中で最も長い作品となっています。前作の『クレージー黄金作戦』に続き、単独で公開された本作ですが、興行的にはあまり振るわず、約4億5000万円の興行収入は前作から約2億3000万円の減少を記録しました。配給収入も2億2500万円で、観客動員数は170万人を数えましたが、やはり前作に比べて約120万人の減少となり、大きな打撃となりました。

あらすじ

物語は、メキシコ展で展示されていた石像が盗まれるところから始まります。主人公の酒森進（植木等）は、美大生の恋人である村山絵美（浜美枝）に偽物の石像を作るよう頼みます。彼はそれで一儲けを目指すのですが、結果的に同じ石像に絡むトラブルに巻き込まれ、ヤクザの清水忠治（ハナ肇）や銀行員の鈴木三郎（谷啓）らと共にアメリカ、そしてメキシコに向かうことになってしまいます。

スタッフ

本作の監督は坪島孝が務め、製作には渡邊晋、大森幹彦が関わりました。脚本は田波靖男が手掛け、撮影は内海正治が担当。音楽は萩原哲晶と宮川泰が作曲を行い、美術は竹中和雄が担当しました。また、編集は武田うめが行い、合成は三瓶一信が担当しました。

主な出演者

• - 酒森進：植木等
• - 清水忠治：ハナ肇
• - 鈴木三郎：谷啓
• - 村山絵美：浜美枝
• - その他、多数のキャストが名を連ねています。

音楽

挿入歌には「人生たかが二万五千日」や「ウンジャラゲ」、「あなたのとりこ」などがあり、植木等やハナ肇、谷啓による楽曲が数多く含まれています。特に「VIVA! CRAZY - シエリト・リンド」は多くのキャストによって歌われ、楽曲の多彩さが際立っています。

エピソード

本作は前年の『クレージー黄金作戦』と同様に長期間の海外ロケを実施しましたが、撮影の順番はメキシコシティからサンフランシスコと逆になっています。また、劇中では殺人シーンや暴力的な描写も見られるなど、大幅なスタイルの変更が試みられました。

撮影の際には、脂肪を付けた谷啓が現地の人々に勘違いされるという逸話もあります。特に、サンフランシスコのヒッピー街の撮影では、本物のヒッピーたちがエキストラとして雇われましたが、雰囲気が悪くなり予定より早く終わることとなりました。

まとめ

『クレージーメキシコ大作戦』は、その長い上映時間や新しい試みの数々、そして豪華な音楽とキャストによって、東宝クレージー映画の重要な作品として位置づけられています。各要素が調和した結果、ユニークな喜劇映画として今でも語り継がれています。

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