クロイズ山の戦い

クロイズ山の戦い

クロイズ山の戦い（Cloyd's Mountain）は、1864年5月9日にバージニア州西部のプラスキ郡で発生した南北戦争の一環です。この戦闘では北軍が勝利を収め、南軍のテネシー州とバージニア州を結ぶ連絡線を断つことになりました。この勝利により、北軍の攻勢がさらに強化されることとなります。

背景

この戦闘における北軍は、ジョージ・クルック准将が指揮する西バージニア軍で構成されており、カナウハ師団の3つの旅団が含まれていました。1864年の春、ユリシーズ・グラント将軍が発動した攻勢によって、北軍はアメリカ連合国の首都リッチモンドを目指して進軍を開始しました。この時、クルックの部隊もアパラチア山脈を越えてバージニア州西部へと向かっていました。彼らの目的は、南軍のアルバート・G・ジェンキンス准将が指揮する部隊が守るバージニア・アンド・テネシー鉄道を破壊することです。

ジェンキンスは多くの戦闘を経験した軍人であり、1863年のゲティスバーグ方面作戦に参加していました。彼はその後、1864年の初めに西バージニアでの騎兵隊の編成を行い、ダブリンに本部を置いていました。

戦闘

戦闘の前、ジェンキンスはクロイズ山に陣を構築し、南軍にとっての強固な防御を整えました。クルック軍が到着した際、南軍の防御が非常に強固であることが明らかになり、クルックは正面からの攻撃を避けることを選択しました。彼は周囲の森を利用し、自軍の旅団を南軍の側面に回り込ませることを決定します。

戦闘は北軍の大砲の砲撃で始まり、カー・B・ホワイト大佐が指揮する未熟なウェストバージニア旅団が前進しました。続いて、ヘイズ大佐が率いるオハイオ旅団も攻撃を開始しましたが、ホワイトの旅団は最初の接触で多くの損失を出し、撤退を余儀なくされました。

午前11時ごろ、ヘイズの旅団が主な攻撃を再開し、南軍の防御陣地に向かって突進しました。この際、激しい白兵戦が繰り広げられ、マスケット銃から発射された火花が周囲の落ち葉に引火する事態も発生しました。クルックは新しい部隊を投入し、再び攻撃を仕掛けました。

ジェンキンスは戦闘中に致命的な怪我を負い、その指揮は副官のジョン・マコースランドに引き継がれました。クロイズ山での戦闘は、バック・クリーク農場の近くで行われ、北軍の作戦本部としても使用された重要な地点でした。

戦闘の結果

クロイズ山の戦いは非常に短時間で行われましたが、南北戦争の中でも特に激しい戦闘となりました。この戦闘は約1時間にわたり続き、その多くは白兵戦が中心でした。双方の軍勢がそれほど大きくなかったにもかかわらず、損失は非常に大きくなりました。北軍の損失は688名、南軍の損失は538名でした。

北軍はその後も戦闘を続け、ダブリンで鉄道の破壊に成功しました。この成果により、北軍は勝利を収めたと見なされています。アブリルの部隊も鉄道橋をいくつか破壊することができました。この鉄道線は南軍にとって最後の生命線であり、東テネシーと接続する唯一の重要な輸送路でした。

最後に、戦闘を終えた後、撤退しきれなかった南軍の兵士が致命傷を負う場面もあり、その兵士が女性であったことが判明しました。この戦闘は多くの歴史的な教訓を残しました。

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