クロカンブッシュ

クロカンブッシュとは

クロカンブッシュ（仏: croquembouche）は、フランスの伝統的な菓子で、小さなシューを円錐形に積み上げた華やかな見た目が特徴です。名前はフランス語の「croque en bouche」に由来し、糖衣がけされたシューが口の中でカリッと音を立てて崩れる様子を表しています。「Croquenbouche」や「croquebouche」とも表記され、「サント・ノーレ」（Saint-Honoré）と呼ばれることもあります。

概要

クロカンブッシュは、土台の上にカスタードクリームを詰めた小さなシューを、飴やカラメルなどの糖衣で接着しながら円錐形に積み上げて作られます。フランスでは、結婚式のウエディングケーキとして用いられることが多く、その際に新郎新婦は木槌でクロカンブッシュを割り、参列者に分け与えるという習慣があります。

シューはキャベツを象徴しており、子孫繁栄と豊かな収穫を願う意味が込められています。クロカンブッシュの頂上には、夫婦の人形やドラジェ、飴細工のバラなどが飾られ、シューは祝福してくれる人々を象徴するとも言われています。そのため、できる限り高く積み上げることが好まれる傾向があります。

結婚式だけでなく、洗礼式やクリスマスケーキなど、様々なお祝いの場で用いられる祝い菓子であり、「ピエスモンテ」（Pièce montée）の一種とされています。

文化的な意味合い

クロカンブッシュは、単なるお菓子としてだけでなく、フランス文化において重要な意味を持っています。結婚式では、新郎新婦がクロカンブッシュを分け合うことで、参列者へ幸せを分かち合う意味合いがあります。また、その見た目の華やかさから、お祝いの席を彩る象徴的な存在となっています。クロカンブッシュは、人々の祝福や喜びの気持ちを表現する、大切な役割を担っていると言えるでしょう。

余談

クロカンブッシュは、様々な作品にも登場しています。

人気漫画『ONE PIECE|ONE_PIECE』では、ビッグ・マムのエピソードでクロカンブッシュが登場し、印象的なシーンとして描かれています。
TVアニメ『夢色パティシエール』のrecette 12「七年目のメリークリスマス」では、クロカンブッシュが物語の重要な要素として登場します。

これらの作品からも、クロカンブッシュが人々に親しまれていることが伺えます。

関連項目

工芸菓子
ペイストリー
* フランス菓子のリスト

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