クロトーネ

クロトーネ：古代ギリシャの息吹が残る南イタリアの港町

クロトーネは、イタリア共和国カラブリア州東部に位置する人口約64,000人の都市で、クロトーネ県の県都です。イオニア海に面した港湾都市であり、その歴史は古代ギリシャの植民都市クロトーンにまで遡ります。ピタゴラスが学派の拠点を置いた地としても知られ、古代の知的な遺産を今に伝える場所です。

名称

都市の名前であるCrotoneは、[kroˈtone]と発音されます。日本語では「クロトーネ」の他に「クロトネ」と表記されることもあります。古代にはクロトーン（古代ギリシア語: Κρότων）、クロトナ（ラテン語: Crotona）と呼ばれ、中世以降はコトローネ（Cotrone）という名で知られていました。1928年に現在のクロトーネに改称されました。

地理

クロトーネは、イタリア半島の先端、カラブリア半島の東海岸に位置しています。州都カタンザーロから北東へ約50km、コゼンツァから南東へ約79km、ターラントから南へ約154km、レッジョ・ディ・カラブリアから北東へ約168kmの距離にあります。周囲を以下のコムーネと接しています。

クトロ
イーゾラ・ディ・カーポ・リッツート
ロッカ・ディ・ネート
スカンダーレ
ストロンゴリ

歴史

クロトーネの歴史は、紀元前710年頃にギリシャの植民都市クロトーンとして始まったとされています。この地は、壮年期のピタゴラスが学問集団を立ち上げた場所であり、その影響下で医学者・哲学者アルクマイオンが誕生しました。また、オリンピックで活躍した選手を数多く輩出しており、紀元前6世紀後半のギリシャ人選手ミロンもその一人です。

1994年にカタンザーロ県が分割され、クロトーネ県が設置され、クロトーネはその県都となりました。自治体としての発足は1996年です。

行政

クロトーネには、いくつかの分離集落（フラツィオーネ）が存在します。

スポーツ

クロトーネを本拠地とするサッカークラブとして、FCクロトーネがあります。2020-21シーズンにはセリエAに所属していました。ホームスタジアムはスタディオ・エツィオ・シーダです。

交通

クロトーネにはクロトーネ空港があります。

姉妹都市

クロトーネは以下の都市と姉妹都市提携を結んでいます。

ヤニツァ（ギリシャ、2010年）
ポルト（ポルトガル、2010年）
ハム（ドイツ、2013年）

人物

クロトーネ出身の著名人として、以下の人物が挙げられます。

アルクマイオン：紀元前5-6世紀の解剖学者・哲学者。
フィロラオス：紀元前5-4世紀の数学者・哲学者。
リノ・ガエターノ：20世紀のシンガーソングライター。
ヴィンチェンツォ・イアクインタ：サッカー選手。

また、クロトーネとゆかりの深い人物として、ピタゴラスが挙げられます。ピタゴラスは紀元前6-5世紀にクロトーネでピタゴラス学派を形成し、その活動拠点としました。

脚注

外部リンク

* コムーネ公式サイト （イタリア語）

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