クロヒョウ龍が如く新章

『クロヒョウ龍が如く新章』：新たな物語の始まり

『クロヒョウ龍が如く新章』は、2010年 9月22日にセガがリリースしたPlayStation Portable用ゲームソフトです。このゲームは『龍が如く』シリーズの第6作目であり、過去の作品とは異なる新しいキャラクターやシステムが導入されています。キャッチコピーには「暴力の果てに、誇りはあるのか？」が掲げられ、深いテーマに挑戦した作品となっています。

ゲームの概要

本作では、従来のシリーズで用いられていたCGムービーの代わりに、イラストに音声を載せる独自の表現方法が採用されています。この手法は『メタルギアソリッドポータブル・オプス』とも似ており、プレイヤーはより物語に没入できるよう工夫されています。総合監督の名越稔洋は、「暴力」の持つ二面性に注目し、良い暴力と悪い暴力の両面を描くことに挑む意向を示しています。

本作は『龍が如く見参!』のような外伝とは異なり、シリーズと同一の時間軸で進行しつつも、ストーリー自体は独立して展開されます。キャスト陣には、手島優、星あや、中村アン、ボクサーの内山高志などの著名人が起用され、主なストーリーや脚本は野尻靖之が担当しています。

さらに、本作は広範なメディア展開も行っており、2010年10月から12月にかけてTBS・MBSで放送されたテレビドラマも話題となりました。原作を基にした漫画版も、週刊ヤングマガジンで連載されるなど、様々な形式で物語が展開されました。

ゲームプレイの特徴

本作の舞台は神室町で、地下格闘場を中心に展開される物語ですが、単調な閉鎖空間に終わることはありません。プレイヤーはリアルに再現された神室町を激しく探索し、それぞれのプレイスポットやサブイベントを楽しむことが可能です。また、アルバイトミニゲームも新しく加わり、より多様な遊び方が出来るようになっています。

カメラワークは固定視点で自動的に切り替わるスタイルを採用し、タクシーの利用はできないなど、いくつかの変更が加えられました。この新しいアプローチによって、進行の手触りが一段と新鮮になりました。

バトルシステム

バトル部分では独特のシステムが導入されており、それぞれのキャラクターの体力ゲージは表示されていません。画面は戦闘の情景が主になり、キャラクターが大部分を占める構成になっています。特に1対1の戦闘を強調したカメラワークが印象的で、ここでは最大3人の敵との戦いが展開されます。

新たに「スタイル」システムが導入され、喧嘩、ボクシング、プロレス、空手など20種類のスタイルがプレイヤーに与えられます。各スタイルにはそれぞれ異なる特性があるため、戦闘の戦略がさらに深まります。ヒートケージは数回のバトルで使えなくなり、使うタイミングが重要になってきます。これらの変更により、シリーズ以前のアクションゲームとは異なる新しい体験が提供されています。

ストーリーの紹介

物語は、神室町に住む少年、右京龍也の視点から始まります。彼は暴力を信じ、その力だけで生きてきました。2010年のある雨の日、龍也は危険な計画を思いつきますが、仲間たちから見放され、孤立してしまいます。その後、彼はヤクザの幹部と出会い、命懸けの戦いに巻き込まれていきます。彼の勇気と強さが試される瞬間が続き、九鬼組の「ドラゴンヒート」での戦いに挑むことになります。彼は自由を手に入れるため、ただただ勝ち続けなければならないのです。

クロヒョウ 龍が如く新章