クロロ酢酸

クロロ酢酸（クロロさくさん、英: chloroacetic acid）は、化学式ClCH₂COOHで表される有機化合物です。酢酸の水素原子が塩素原子で置換された構造を持ち、置換された塩素原子の数によってモノクロロ酢酸、ジクロロ[[酢酸]]、トリクロロ[[酢酸]]などがあります。特に、水素原子が一つ塩素原子に置換されたものをモノクロロ酢酸と呼びます。

性質

クロロ酢酸は、酢酸に似た刺激臭を持つ潮解性の無色透明な固体です。腐食性が非常に強く、取り扱いには注意が必要です。日本の毒物及び劇物取締法では劇物に指定されています。

クロロ酢酸は、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸（除草剤）の原料として工業的に利用されているほか、有機合成化学では、ベンゾフラン誘導体の合成にも用いられます。具体的には、サリチルアルデヒドのヒドロキシ基をクロロ酢酸でアルキル化し、生成したエーテルを脱炭酸することでベンゾフランを合成することができます。

合成法

クロロ酢酸は、主に以下の二つの方法で合成されます。

1. 酢酸の塩素化:
赤リン、硫黄、ヨウ素などの触媒存在下で、酢酸を塩素処理することで合成できます。この反応は以下の化学式で表されます。

CH3CO2H + Cl2 → ClCH2CO2H + HCl

2. トリクロロエチレンの加水分解:
硫酸を触媒として、トリクロロエチレンを加水分解することでもクロロ酢酸を得ることができます。

利用

クロロ酢酸は、その腐食性を利用して、疣贅（いぼ）の治療薬として外用剤に配合されることがあります。

出典

東京化成工業株式会社
関東化学株式会社

関連項目

* 塩化アセチル

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