クローンゲーム

クローンゲームとは

クローンゲームとは、既存のゲームのコンセプト、ルール、画像、音楽などを模倣して作られたゲームの総称です。多くの場合、オリジナルゲームの権利者から許可を得ずに制作され、著作権や特許権などの知的財産権を侵害する可能性があります。

クローンゲームの種類

クローンゲームは大きく分けて以下の2種類に分類できます。

1. ゲームルールやアイデアの流用:
既存のゲームのルールやアイデアをほぼそのまま流用して作られたゲームです。例えば、有名なパズルゲームのシステムを真似たゲームなどがこれにあたります。
2. 画像や音楽、キャラクターの流用:
既存のゲームの画像、音楽、キャラクターをそのまま使用して作られたゲームです。多くの場合、二次創作ゲームとして公開されます。

クローンゲームは、多くの場合、オリジナルゲームの権利者から許可を得ずに作成されますが、中には権利者の許可を得た上で、キャラクターや音楽を差し替える形で制作される場合もあります。

クローンゲームの歴史

クローンゲームの歴史は古く、1980年代には『パックマン』や『スペースインベーダー』などの人気アーケードゲームが、マイコン向けに移植されたり、無許可で販売されたりしていました。この当時はまだ「クローンゲーム」という言葉は存在しませんでしたが、その性質は現在のクローンゲームと非常に近いものでした。

また、有名なパズルゲームである『テトリス』や『コラムス』が登場してからは、これらのクローンゲームが多数出現しました。日本国内では個人が趣味で作成したフリーソフトウェアが多いですが、海外では企業が開発したものや、有料で販売されているものも多く存在します。

音楽ゲームでは、コナミの『BEMANIシリーズ』が人気を博した1990年代後半から2000年代初頭にかけて、『beatmania』や『ダンスダンスレボリューション』のクローンゲームが多く作られました。これらのクローンゲームは、ユーザーが自由に曲データを作成できる点が特徴です。

クローンゲームの問題点

クローンゲームは、著作権や特許権などの知的財産権を侵害する可能性があり、法的な問題に発展する可能性があります。特に、商業目的でクローンゲームを販売する場合は、より悪質とみなされ、訴訟のリスクが高まります。そのため、クローンゲームはフリーソフトウェアとして公開されることが多いです。

一方で、クローンゲームは、ゲーム開発の初期段階において、アイデアを試したり、技術を習得したりするための手段として利用されることもあります。また、オリジナルのゲームに触れる機会が少ないユーザーにとっては、手軽にゲームを楽しむ手段にもなっています。

代表的なクローンゲーム

以下に、代表的なクローンゲームの例をいくつか挙げます。

ルールやアイデアを流用したもの
Zuma
BMSプレーヤー
StepMania
M.U.G.E.N
osu!
Freeciv
プリンセスラナ
エリィのアクション
刀剣乱舞

画像や音楽、キャラクターを流用したもの
I Wanna Be the Guy


これらのゲームは、オリジナルのゲームのルールやデザインを模倣していますが、独自の要素やアイデアを取り入れて、独自のゲーム体験を提供しています。

クローンゲームの今後

クローンゲームは、ゲーム業界の一側面として、今後も一定の存在感を保ち続けると考えられます。技術の進歩やゲーム開発ツールの普及により、より手軽にクローンゲームを制作できるようになるかもしれません。また、著作権保護の強化や法整備の進展により、クローンゲームのあり方も変化していく可能性があります。

クローンゲームは、著作権侵害の問題を抱えつつも、ゲーム文化の発展に貢献してきた側面もあります。今後のゲーム業界において、クローンゲームがどのような役割を果たすのか、注目していく必要があるでしょう。

もう一度検索