クンヤン・チッシュ

クンヤン・チッシュ

クンヤン・チッシュ（ウルドゥー語: کنیانگ چش）は、パキスタンのギルギット・バルティスタンに位置する美しい山であり、カラコルム山脈のヒスパー・ムスターグに属します。この山は、その標高が7,823メートルであり、世界で21番目、パキスタンでは8番目に高い山として知られています。独立した山としての特徴を持ち、周囲の地形よりも著しく高くそびえています。

位置

クンヤン・チッシュは、ヒスパー氷河の北側、ヒスパー・ムスターグの中心に位置しています。周囲にはクンヤン氷河が広がり、北側にはヒスパー・ムスターグの最高峰であるディスタギール・サールがあります。また、東北東には約4キロメートルの距離にプマリ・チッシュの2つの頂が存在しています。

主要な頂

クンヤン・チッシュには、次の5つの頂があります：

• - 主峰（7,852メートル）
• - 南峰（7,620メートル） - 主峰から700メートル南南西に位置。プロミネンスはわずか100メートルです。
• - 東峰（7,400メートル） - 主峰から2キロメートル東南東にある。プロミネンスは240メートルです。
• - 西峰（7,350メートル） - 主峰から1.5キロメートル西に位置し、「ピラミッド・ピーク」としても親しまれています。プロミネンスは170メートルです。
• - 北峰（7,108メートル） - 主峰から6キロメートル北北東にあり、他の峰からは隔たっています。この峰は517メートルのプロミネンスを持ち、独立した山と見なされています。

登頂の歴史

クンヤン・チッシュの初登頂は1962年に試みられましたが、7月18日に雪崩が発生し、隊員2人が命を落としました。彼らの遺体は回収されることはありませんでした。次の挑戦は1965年、日本の東京大学のメンバーによるもので、彼らは南稜を選択しましたが、7,200メートル地点での尾根が崩壊し、1名が亡くなりました。

初登頂は1971年にポーランドの隊が成功させました。この時、彼らはプマリチッシュ氷河から南稜線へ登る長いルートを利用しましたが、隊員の一人がクレバスに滑落してしまいました。二度目の登頂は1988年7月11日にイギリスの登山家、マーク・ロウとキース・ミルンによって達成され、北西の支脈からの北稜を経由しました。このルートは1980年以降も幾度となく試みられました。

北峰は1979年から初めて登頂され、東峰は2013年にオーストリア・スイスのチームによって初登頂されました。西峰は現在も未登頂の状態です。

名前の由来

「クンヤン・チッシュ」という名前は「隠れた峰」という意味があります。この山の名前は1924年にオランダ人探検家によって指定されたもので、彼らは氷河を発見し、地元住民の呼び名を用いて名付けました。その後、山の名称が氷河の名前に由来することが多くなり、さまざまな地図で異なる表記が見られましたが、1971年にポーランド隊が最終的にパキスタン政府により公式な名称が確定されました。

まとめ

クンヤン・チッシュはその美しさと歴史的な登山の挑戦から、多くの登山者を魅了している山です。厳しい登山条件が続く中、この山は探検と冒険の象徴として今後も多くの人々に親しまれることでしょう。

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