クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリーとは？意味をやさしく解説

クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー

クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー（Coupe du Monde de la Pâtisserie）は、パティシエの技術を競う、世界最高峰の国際大会の一つです。「パティスリー世界大会」や「洋菓子ワールドカップ」とも呼ばれています。

大会の概要

この大会は、2年に1度、フランスのリヨンで開催される国際外食産業見本市「SIRHA（シラ）」の期間中に行われます。SIRHAには、レストラン、製菓、製パン、器具など、食に関わる様々な業界のプロフェッショナルが集結し、最新の技術や製品が展示されます。クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリーは、この見本市の中でも特に注目を集めるイベントの一つです。

競技内容

各国を代表する3名のパティシエがチームを組み、10時間という制限時間内で、以下の3つの部門で競い合います。

チョコレート: チョコレート細工、チョコレート彫刻、レストラン・デザート（以前はアシエット・デセール）を製作します。チョコレートは温度管理や風味など、パティシエの技術が試される素材です。各国特有の食材を一つ使用することが義務付けられています。

アメ: 飴細工とシェア・デザート（以前はアントルメショコラ）を製作します。飴細工は繊細な技術が求められる分野であり、美しさと独創性が評価されます。

氷（現在はチョコレート）: 以前はアントルメグラッセ（アイスケーキ）と氷彫刻の技術を競い合っていましたが、2021年大会以降はチョコレートブロックを用いた彫刻に変更されています。

各部門の総合得点で順位が決まり、優勝チームが決定します。

大会の歴史と日本の活躍

クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリーは、1989年に第1回大会が開催され、2017年で第15回を迎えました。日本は1991年の第2回大会で初優勝を飾り、これは日本の製菓業界にとって大きな快挙となりました。

洋菓子は海外発祥の菓子ですが、日本のパティシエたちは、その技術を磨き続け、世界トップレベルの腕前を誇っています。毎大会、日本の応援団に支えられながら、選手たちは日々の努力の成果を披露します。

歴代優勝チーム

1989年: フランス
1991年: 日本
1993年: フランス
1995年: ベルギー
1997年: イタリア
1999年: フランス
2001年: アメリカ合衆国
2003年: フランス
2005年: フランス
2007年: 日本
2009年: フランス
2011年: スペイン
2013年: フランス
2015年: イタリア
2017年: フランス
2019年: マレーシア
2021年: イタリア
2023年: 日本

日本チームの歴代選手と順位

1989年: 加藤信、望月完次朗、小林春夫
1991年: 優勝杉野英実、安藤明、林雅彦
1993年: 稲村省三、横田秀夫、大野龍男
1995年: 第2位柳正司、及川太平、後藤順一
1997年: 第3位辻口博啓、花口庄太郎、及川太平
1999年: 第4位堀江新、山本光二、五十嵐宏
2001年: 第2位五十嵐宏、朝田晋平、福田雅之
2003年: 第2位寺井則彦、松島義典、野島茂
2005年: 第4位金子浩、栗本佳夫、櫻智行
2007年: 優勝藤本智美、市川幸雄、長田和也
2009年: 第4位若林繁、林正明、山本健
2011年: 第4位中山和大、鍋田幸宏、垣本晃宏
2013年: 第2位赤崎哲朗、冨田大介、森山康
2015年: 第2位中山和大、德永純司、杉田晋一
2017年: 第2位駒居崇宏、植﨑義明、山本隆夫
2019年: 第2位伊藤文明、西山未来、小熊亮平
2021年: 第2位塚田悠也、原田誠也、赤羽目健悟
2023年: 優勝鈴鹿成年、高橋萌、柴田勇作

クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー