クーロスのコルヴィル子爵

クーロスのコルヴィル子爵位の歴史と系譜

クーロスのコルヴィル子爵位は、イギリス貴族の世襲爵位の一つです。その歴史は古く、17世紀初頭まで遡ります。1604年、ジェームズ・コルヴィルがスコットランド貴族としてクーロスのコルヴィル卿に叙爵されたことが、この一族の栄光の始まりでした。

当初は、初代卿の直系男子が順調に爵位を継承していきました。しかし、4代卿が後継者なく世を去った際に、継承順位は初代卿の男子相続人に変更され、いとこのアレクサンダー・コルヴィルが爵位を継承することとなりました。この系譜はその後も続き、7代卿アレクサンダーはイギリス海軍の提督として七年戦争で活躍し、ケベック包囲戦などを指揮したことで知られています。また、9代卿ジョンも海軍軍人として高い地位に昇り詰め、貴族院議員としての活動もしています。

19世紀後半、10代卿チャールズ・ジョン・コルヴィルは、保守党の政治家として活躍しました。彼は1885年に連合王国貴族としてクーロスのコルヴィル男爵に叙爵され、さらに1902年には、クーロスのコルヴィル子爵に昇叙されました。これが、現在まで続くクーロスのコルヴィル子爵位の始まりです。

現在、第5代子爵チャールズ・コルヴィルが当主を務めています。彼は1999年貴族院法制定後も議席を維持する92人の世襲貴族の一人であり、クロスベンチ（無所属）として貴族院で活動しています。なお、初代子爵の次男は著名な海軍大将であり、三男は有名な伝記作家として知られています。

コルヴィル氏族と子爵家の伝統

クーロスのコルヴィル子爵家は、代々コルヴィル氏族の氏族長を務めています。氏族のモットーは『我、忘るるあたわず(Oblier ne puis)』であり、一族の邸宅はサフォーク州ベクルズ近郊のウォーリンガム・ホールにあります。

歴代当主一覧

クーロスのコルヴィル卿 (1604年)

初代: ジェームズ・コルヴィル (1551–1629)
第2代: ジェームズ・コルヴィル (生没年不詳)
第3代: ウィリアム・コルヴィル (生没年不詳)
第4代: ジョン・コルヴィル (生没年不詳)
第5代: アレクサンダー・コルヴィル (1666–1717)
第6代: ジョン・コルヴィル (1690–1741)
第7代: アレクサンダー・コルヴィル (1717–1770)
第8代: ジョン・コルヴィル (1725–1811)
第9代: ジョン・コルヴィル (1768–1849)
第10代: チャールズ・ジョン・コルヴィル (1818–1903) - 1885年にクーロスのコルヴィル男爵に叙爵

クーロスのコルヴィル男爵 (1885年)

初代: チャールズ・ジョン・コルヴィル (1818–1903) - 1902年にクーロスのコルヴィル子爵に昇叙

クーロスのコルヴィル子爵 (1902年)

初代: チャールズ・ジョン・コルヴィル (1818–1903)
第2代: チャールズ・ロバート・ウィリアム・コルヴィル (1854–1928)
第3代: チャールズ・アレクサンダー・コルヴィル (1888–1945)
第4代: ジョン・マーク・アレクサンダー・コルヴィル (1933–2010)
第5代: チャールズ・マーク・タウンシェンド・コルヴィル (1959-) - 現当主

現当主の弟であるリチャード・ジェイムズ・イニス・コルヴィルが、爵位の推定相続人です。

現当主の保有爵位

現当主である第5代クーロスのコルヴィル子爵は、以下の爵位を保有しています。

第5代クーロスのコルヴィル子爵 (連合王国貴族爵位)
第14代クーロスのコルヴィル卿 (スコットランド貴族爵位)
* 第5代パース州クーロスにおけるクーロスのコルヴィル男爵 (連合王国貴族爵位)

この子爵家は、イギリス貴族社会において重要な位置を占め、その歴史と伝統は現在も受け継がれています。

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