グイード・ダ・スポレート (イタリア王)

グイード・ダ・スポレート：イタリア統一とローマ皇帝の座を目指した波乱の生涯

グイード・ダ・スポレート（？～894年12月12日）は、9世紀後半のイタリアを舞台に活躍した歴史上の人物です。彼はイタリア王（889年～894年）であり、ローマ皇帝（891年～894年）の称号も得ました。スポレート公（883年～894年）としてはグイード3世とも呼ばれ、名門ヴィドー家出身でした。

フランク系家系とスポレート公位継承

グイードは、サラセン人のローマ侵攻（846年）にも参戦したグイード1世・ディ・スポレートの子孫でした。フランク系家系に連なる彼は、祖母を通してカロリング家と血縁関係を持っていました。兄であるランベルト1世の後を継ぎ、スポレート公位を継承するも、兄の息子グイード3世が早世したため、883年に公位を継承することとなりました。

ベネヴェント公アデルキの娘アジェルトゥルデと結婚し、息子ランベルト2世を、娘ロチルデをもうけました。ロチルデは、後にトスカーナ辺境伯アダルベルト1世と結婚しています。

権力闘争とローマ皇帝への戴冠

グイードは、882年にローマ皇帝カール3世に反逆の罪で所領を没収されますが、翌年には奪還し、カメリーノ侯となりました。軍事力も高く、885年にはサラセン人を撃退する武勲も挙げています。

888年、西フランク王選出においては企てが失敗に終わりますが（ウードが選出）、イタリア王位継承争いでは、889年にトレッビア川での戦いでベレンガーリオを破り、パヴィアでイタリア王に戴冠しました。

そして891年2月21日、教皇ステファヌス5世によってローマ皇帝として戴冠。息子ランベルトと共に帝位を維持しました。しかし、続く教皇フォルモススとは対立し、教皇は東フランク王アルヌルフをイタリアに呼び寄せます。

アルヌルフとの対立と最期

894年、アルヌルフがイタリアに侵攻し、ベルガモ、ミラノ、パヴィアを征服しました。アルヌルフはイタリア王として認められ、ベレンガーリオの領土を寄贈されます。しかし、アルヌルフのイタリア支配は長くは続きませんでした。グイードはイヴレーア侯アンスカーリオ1世に援軍を要請しますが、ブルグント王ルドルフ1世からの援軍と合流したアンスカーリオ1世は、アルヌルフの進軍を阻止しようとしたのです。しかし、アルヌルフは山中にいるルドルフを攻撃し、戦闘を回避しました。

同年、グイードは死去。息子のランベルトは、イタリア王位継承者として父の後を継ぎましたが、その地位は不安定なものでした。グイードの死は、イタリア半島における権力争いの激しさ、そして複雑な政治状況を象徴する出来事となりました。

まとめ

グイード・ダ・スポレートは、イタリア統一を志し、ローマ皇帝の座にまで上り詰めた人物ですが、教皇との対立、強大な敵との戦い、そして息子の後継者への不安定な王位継承など、数々の困難に直面しました。彼の生涯は、中世イタリアの歴史における激動の時代を反映した、ドラマチックなものであったと言えるでしょう。

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