グシニェ

グシニェ：モンテネグロの歴史と自然が織りなす町

グシニェ（Gusinje）は、モンテネグロ北東部に位置するオプシュティナ（基礎自治体）であり、アルバニアとの国境に近い場所にあります。その歴史は古く、オスマン帝国による征服以前のことは詳しくは分かっていませんが、プラヴ・グシンジェと呼ばれる集団がアルバニアのカトリック部族を支配していたとされています。本記事では、グシニェの歴史、文化、観光名所について詳しく解説します。

歴史

グシニェの設立者とされるのは、アルバニアのカトリック教徒、デデ・シャラです。彼は15世紀にイスラム教に改宗し、オメル・アガ・シャラとして知られるようになりました。オスマン帝国からこの地域を下賜され、その子孫がこの地を統治しました。1590年からはヴェリ・ベイの一族がこの地を治めるようになり、ラドジェプ・パシャの時代にはラドジェパジック家がこの地の有力な一族となりました。1852年からはコソボ、ヴィライェトの一部となっています。

15世紀後半から18世紀初頭にかけて、イスラム世界の様々な場所から人々が移住してきました。1492年のレコンキスタ完了後には、スペインから追放されたイスラム教徒やユダヤ教徒の一部もグシニェに移り住んでいます。17世紀にはトルコ系の家も存在していました。

オスマン帝国の支配が終わると、多くのアルバニア人がイスラム教からカトリックへと改宗しました。プラヴ・グジンジェの住民の多くはアルバニアに起源を持ち、一部の東方正教会の家を除けば、住民の多くがカトリックとなりました。1700年までには、プラヴ・グシンジェの75%がイスラム教を捨てていたとされています。

1878年のベルリン会議で、オスマン帝国はモンテネグロ公国への所有権を放棄しましたが、プリズレン連盟に所属する人々が多数を占めるこの地域では、この決定は不評でした。プリズレン連盟と地元のアルバニア人は、モンテネグロにアルバニア人の土地を割譲しないよう強く主張しました。1879年にはモンテネグロ軍が侵攻を試みましたが、グシニェのアリ・パシャ率いるプリズレン連盟がこれを防ぎました。1880年にもモンテネグロ軍が攻撃を仕掛けましたが、アルバニア軍が勝利し、プラヴとグシニェは事実上独立状態となりました。1878年から1912年までプラヴとグシニェは事実上独立していました。

文化と観光

グシニェには、アリパシニ・イズヴォリと呼ばれる美しい泉があります。この泉では、岩から直接水が湧き出ており、多くの小さな泉となっています。町の独立記念日である8月2日には、数千人が集まり、踊りや音楽、料理などを楽しむお祭りが行われます。

また、プロクレチイェ山地もグシニェの重要な観光資源です。巨大な山容と優れた登山道で知られており、モンテネグロ国内で最大の山地です。夏でも山頂には雪が残っており、登山やハイキングに最適です。観光客が少ないため、この地域の文化や風習をじっくりと味わうことができます。

町には多くのビストロがあり、チェヴァプチチなどの местная料理を味わうことができます。幹線道路沿いにはスイーツ店や、ジェズベで提供される手頃な価格のコーヒー店などが並んでいます。

著名人

グシニェ出身の著名人としては、以下のような人物がいます。

グシニェのアリ・パシャ - アルバニア人政治家
レクホ・ムリキ - アルバニア人作曲家
ジェナン・ラドンチッチ - サッカー選手
ファフルディン・ラドンチッチ - ドネヴニ・アヴァズ誌の設立者
ズヴディヤ・ホドジッチ - 作家
ベキ・ベキッチ - 歌手

グシニェは、豊かな歴史と美しい自然に恵まれた魅力的な町です。モンテネグロを訪れる際には、ぜひ足を運んでみてください。

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